「報告するにはまだ早い」はダメ

いかに伝わっていないかを徹底的に認識すること。このコミュニケーションの基本を考えれば、短いサイクルで頻度を上げ、相手の理解度をつねに計って軌道修正をかけながら進むのが正しい方法となります。

ところが、実際には、上司への「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)を実行するときにも「もう少しちゃんとできてから」とか、「納得いく出来になっていないから」という理由で、ついつい報告が遅くなるケースが多いのではないでしょうか。

もちろん、報告の対象が、顧客などの対外的な相手である場合は、このような方法をとるほうがよい場合もあるでしょう。しかし、「上司と部下」の関係において、こうした考え方は百害あって一利なしだと思います。

「生煮えの状態」でいいから「多頻度・短サイクル」

図表3に、コミュニケーションにおける「こちらの考える方向性」と「相手の期待値」のギャップを時系列で示しました。

私たちは「相手の期待値」を100パーセント確認し、それを共有した状態で事を運ぶことはほとんどなく、双方曖昧なままで進めていくケースが多いと思います。

こういう場合に、「ちゃんとできてから報告しよう」という考えは非常に危険なのです。まず、「ちゃんと」というのは、何をもって「ちゃんと」というのでしょうか。これは独りよがりの「ちゃんと」であることが多く、「自分にとってちゃんとした」状態でやったことが、「相手の期待値」とかけ離れたものになっている可能性が非常に高いのです。

とくに、初めて一緒に仕事をする人や、手の内がわかっていない人同士で仕事をするときには、十分に注意しておかなければなりません。

こうした場合には、「生煮えの状態」でもいいので、「多頻度・短サイクル」でコミュニケーションを取っておけば、「同じ成果物を見ながら」お互いのギャップを認識し、軌道修正をかけていくことができるのです。

上司側にも責任があります。完成度よりも短サイクルでのレポートを奨励する雰囲気を醸成しておくこと。これは職場コミュニケーションの基本でもあります。