キャッシュレスを「どう賢く使うか」に頭を使う時代
しばしば「現金払いが一番賢い」というような言い方をしますが、これはクレジットカードの分割払いなどで利息が上乗せされた場合との比較で使われてきた言葉です。
通常のキャッシュレスには利息は乗りませんから、この視点はもはや無視していいものとなっています。むしろキャッシュレスのメリットは「ポイント獲得による実質的な割引」です。
一時期、コード決済のプロモーションで「20%還元」と大々的に案内されたとき、多くの人がアプリを設定したのは実質的に割安な買い物が実現したからです。最近では高還元率のキャンペーンは減っていますが、それでも数%の割引を得れば「現金よりお得」であることは間違いありません。
「いや、現金払いでもポイントはつきますよ」と思うかもしれませんが、それは「店頭ポイント(お店のポイントカードやdポイントなどの共通ポイントカードを提示して貯まるポイント)」であり、それは、キャッシュレスでもついてきます。したがって、現金払いのメリットにはなりません。
実際問題として、現金をいちいちやりとりしなくていいだけでもキャッシュレスに切り替える価値はあるように思います。利用シーンも日常生活のほとんどをキャッシュレスでカバーする時代がやってきました。しかもスマホに設定しておけば、「財布を忘れた○○さん」のような心配もありません。財布を忘れて家を出ても、スマホは忘れないからです(玄関を出て数分のうちに、一度はスマホ画面を見ますよね?)。
キャッシュレスの注意点はむしろ、お金を使った「重み」が感じられなくなることでしょうか。財布の中の1万円札が少しずつ減っていくと私たちは節約を意識しますが、キャッシュレスで1万円利用しても、なかなか1万円札分のお金が消えたという実感をもてないのです。とはいえ、キャッシュレスはもう、「使うか使わないか」ではなく、「どう賢く使うか」に頭を使いたい時代といえます。
いまだに切り替えができていないという人は全面的な切り替えを検討してみましょう。この手の変更は最初の一歩目だけの問題です。面倒な人は交通系ICカード(Suica等)をそのまま交通機関以外で利用するだけでもいいでしょう。