どうすれば、人を魅了する話し方ができるようになるのか。音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」を運営する緒方憲太郎さんは「『話す力』で人を魅了するということは、滑舌の良さや声の通りの良さで『きれいにしゃべる』こととはあまり関係がない」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、緒方憲太郎『新時代の話す力 君の声を自分らしく生きる武器にする』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

スタジオでポッドキャストを録音している女性
写真=iStock.com/nortonrsx
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きれいな話し方が人を魅了するわけではない

僕が運営している音声プラットフォームのVoicyには、1000人以上のリスナーが毎日集まるようなパーソナリティの番組が数百あります。

日々、多くの人が「話を聞きたい」と集まる話し手たちは、日頃、どんなことに気をつけているのでしょうか。「話す力」の高い人は、そうではない人と比べて、一体何が優れているのでしょうか。

僕は普段から、Voicyの人気パーソナリティに、「話す力」についてヒアリングを重ねています。さらに僕が普段お会いする著名人や経営者の中にも、「話す力」が高い人がたくさんいます。

こうした人々を観察・研究した結果、「伝わる技術」にはいくつかの共通点があることが見えてきました。

僕はVoicy上でたくさんの声の発信に触れる中で、衝撃を受けた事実がありました。それは、必ずしもきれいに話せる人が聞き手を魅了しているわけではない、ということです。

「きれいに話す」こととは別の技術が必要

実際、Voicyの中には、話し方は決してきれいではないけれど、その人らしい独自性が受けて、どんどんとファンを魅了しているパーソナリティがたくさん存在します。

一方で、きれいに話す訓練を受けたアナウンサーの中で、「話がおもしろい」と評価されて自分のラジオ番組を持ったり、講演会で人気を博したりする人はごく一部しかいません。

「話す力」で人を魅了するということは、滑舌の良さや声の通りの良さできれいにしゃべることとは、あまり関係がありません。

ですから、もし今、あなたが「自分は声がダメだ」「きれいにしゃべれないから無理」などと尻込みしているなら、心配無用。

きれいに話すことができなくても、「話す力」は高められます。

目指すのは、「きれいに話す」ことではなく、自分らしさをしっかりと伝えて、相手と良い関係を築くこと。

それには、「きれいに話す」こととは別の技術が必要になります。

ここでは、Voicyの人気パーソナリティたちを長く観察・研究して気づいたうまい伝え方の共通点や、僕自身の経験を通して培ったスキルなどを整理して、みなさんに「伝わる技術」をお伝えします。

では、始めていきましょう!