「ジェネリック薬を飲んだあとに肝障害になった」

――勤務する病院では、使用率8割を目標にしていないのですか。

【F医師】うちの病院長は、無理に8割使わなくていいと言っています。7割ぐらいでいいと。私もちょっと血圧が高いんですけど、ジェネリックは飲まないですね。体質に合えばいいです。私の意見では(信用していいのは)7掛けくらいだと思ってます。3割はダメだと思います。クオリティっていうか品質にかなり問題があると思っているんです。

――個人的に、そのクオリティが低いという実感をされたことはありますか。

【F医師】僕は肝障害があります。ジェネリック薬を飲んだあとになりました。娘も同じ体質なんです、ロキソニンの後発品を使って、結局病院に入院しました。娘は薬剤師なんですけどね。

男性の解剖学
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――それでどうして数多く処方されているのでしょうか。

【F医師】はい、それはね。大きな病院の院内にいる薬剤師は分かっていても、(小規模な)調剤薬局の薬剤師は、厚労省が啓蒙してることを受け止めて、まあ、同等品である、効果も全部一緒であると理解されてますから。調剤の人はまあ値段は安いし、効果は一緒なのでやっぱり(患者さんに)勧めるわけです。その辺の温度差がかなり出ていると思います。

それに、薬価計算でも少しプラスされていて、ジェネリック薬に切り替えると得になるという面もあるようです。病院もジェネリック薬の使用が80%超えると、お金が入る仕組みがあるんです。

先発薬に比べて混ぜ物の問題が多い

【F医師】うちの病院で3年ぐらい前にあったことです。手術する時に予防的な意味で、抗生物質を患者に使うんですよね。それで後発薬の同じロット(その薬が、いつ、どこで製造されたかを示す記号)番号の抗生物質を投与したら、2例がアナフィラキシー・ショック(発症後、極めて短い時間のうちに全身にあらわれるアレルギー症状)になりました。もちろん、その時点で手術は中止になりましたし、そのロットの抗生物質は引きあげになりましたよ。

ある抗がん剤では間質性肺炎(息切れ、発熱などを伴う肺炎)が3、4件連続で起きました。これはどう考えてもジェネリック薬に関係あるのではと思って、メーカーに問い合わせて、薬の資料を全部持って来てもらったこともあります。

――原因はなんだったのでしょうか。

【F医師】ジェネリック薬は、先発薬に比べて混ぜ物の問題が多いですよね。日本人の体質に合わないんじゃないかということも言われています。副作用の問題を扱っているNPO(民間非営利団体)があり、そこに私が報告を送ろうと思ったら、その薬は日本から撤収されてしまいました。