怒りっぽい自分を責めなくていい
親の脳内のオキシトシンやドーパミンの受容体の厚みは、部分的にはその人自身が受けた教育の質に左右されます。ですからストレスを制御する能力は、その人のこれまでの人生によるものなので、それが低いからといって罪悪感を覚える必要はありません。
けれど親のストレスが子どもに投影されないように、親の責任でなんとかしたいものです。学校で緊張を溜め込んできた子どもが、夜初めて私たちに向けてそれを見せるのと同様に、私たち親だって仕事でつらい1日を過ごしたあと、子どものちょっとした抵抗や反発を我慢できなくなっています。
したがって、ストレスを感じている時、子どもに対して無力だと感じる時、子どもが思い通りに行動しない時――そんな時、私たち親を苦しめるこの極度の無力感から逃れたくて、自分が子どもだった時に支配されたのと同じように、子どもを支配したくなるのです。親自身がそのことをわかっているだけで、自らの過剰な反応を抑えるのに役立ちます。
アドバイス
親であることは楽ではありません。私たちの「神経」はしょっちゅう厳しい試練にさらされます。親としての能力を保ち続け、お手本になるようにしていなければならないのだからなおさらです。でも、私たちは大人ですから大丈夫!
深呼吸して、自分に問いかけてみてください。「私に何が起こっているのだろう? 正確には何にいらだっているのだろう? 私にとって大切なことは何だろう?」。
子どもに優しくすることは親の脳にも良い効果を与える
ありがたいことに、子どもたちと積極的に関わることで、親の脳内でドーパミンのレベルが増して、側坐核(喜びと報酬の回路)が刺激されます。子どもに優しい愛情を注ぐことは私たち親にとっても良いことなのです! どんなエゴイストの親でもそれなら興味が持てるでしょう。子どもに愛情を与えることで、私たちは愛情で満たされるのです!