子どもにイライラする時にはどう対処すればいいか。心理療法士のイザベル・フィリオザさんは、「子どもは自分の人生を生きているだけで、親を怒らせようとしているわけではない。むしろ、親自身に課題があって、子どもに怒ってしまうことが多い。親が自分自身のつらさに気づくことが大切だ」という――。

※本稿は、イザベル・フィリオザ『6~11歳 子どもの気持ちがわかる本』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

若い女性は彼女の顔を覆う手
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子どもは親を怒らせたいとなんて思っていない

朝、着替えに時間がかかる、友だちの家からの帰りの時間を守らない、部屋の中がめちゃくちゃ、なかなか歯を磨かない、口答えする、いつまでたってもテレビやパソコンを終わりにしない……。子どもは親をいらだたせる名人ですね!

でも、本当のところ、子どもたちは自分の人生を生きているのであって、親を怒らせる目的でやっているわけではありません。

それでも私たちは、子どもの態度を親に逆らっているかのように受け止める傾向にあり、時には過剰な反応をします。こちらが求めたことに子どもがすぐさま合わせない時、我を忘れて叫びはじめ、怒鳴り、罰を与え、本当には思ってもいないことまで言ってしまいます。

少しの不満で発作を起こしているのはどちらでしょう? 自分たちの神経をなんとかできないで、子どもの感情の爆発をとがめることはできません。

欲求不満を我慢することを教えるためには、私たち親が子どもにお手本を見せる必要があります。飛行機に乗っていて減圧状態になった時、まず親が酸素マスクをつけて、それから子どもにつけることが推奨されていますが、それと同じです。まずは、親が自分自身の面倒を見ることが大切です。

子どもの心の声

パパが怒鳴ると、怖くて動けなくなる……。