依然として低いワクチン接種率

――私の知人も「コロナにかかったけど、仕事たまってるから出勤してくるわー」と言っていてあぜんとしました。ネットに出回ってる情報だと感染しても出勤している人が多いと聞きます。大流行待ったなしの状況ですが、少しでも被害を抑えるためにはどうすればいいのでしょう?

ワクチンの接種推進がもっとも重要です。mRNAワクチンに比べると、中国国産不活化ワクチンの効果は限定的ですが、それでも打たないよりは断然いい。香港の医療統計によると、ワクチン未接種の場合の死亡率が2.45%に対し、中国不活化ワクチンを3回接種した場合には0.1%にまで減少しています。mRNAワクチンの3回接種では死亡率0.02%と差はありますが、未接種と比べると雲泥の差です。

COVID-19ワクチンボトルと中国国旗の背景
写真=iStock.com/simon2579
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上海ロックダウン時の死者も、95%がワクチン未接種だったことがわかっています。問題は高齢者のワクチン接種率は低いことにあります。80歳以上の高齢者で3回接種完了はわずか40%程度で、日本の90%超と比べるときわめて低水準です。

中国政府は来年1月末までに高齢者のワクチン3回接種率を90%以上にまで引き上げるとの目標を打ち出しました。今まではワクチンは恐いと接種を嫌がっていた高齢者も感染爆発を受けて考えを変えた人が多いようです。とはいえ、感染爆発で外出するのも恐ろしい、医療リソースも感染者の治療に割かれるという状況下で、目標達成は難しいと予想していますが。

来年1月22日が旧正月です。ゼロコロナ対策転換を受けて、今年は自由に帰省していいという方針になっています。2020年、2021年はコロナのために帰省をあきらめた人が多かったのですが、今年は民族大移動が復活する可能性が高い。となると、感染者の増加にもつながります。ですから旧正月までに少しでもワクチン接種率を引き上げておくことは必要でしょう。

「オミクロンは怖くない」と喧伝していたが…

――旧正月帰省のすし詰めの列車とか、感染超爆発間違いなしですね。本当に今年は帰省ラッシュが起きるのでしょうか。それまでに再度、感染対策強化に方針転換もありそうな気がします。

もう一つ、「感染の波をコントロールする」というバランス感覚も必要ですよね。最終的に人口の大部分が感染するにせよ1回あたりのピークはなるべく低くすることで、医療崩壊を防ぐというものです。

――日本でもおなじみの話ですね。

日本をはじめ、各国がこの3年間に何度も何度も経験してきたことなのですが、ここまでゼロコロナでやってきた中国にはその経験がまったくないという……。中国政府や専門家は「オミクロンは怖くない」と盛んに喧伝し、急速な感染爆発やむなしという姿勢です。