負ける場所では極力戦わない。

最近ではすっかり論破のイメージを持たれている僕にも、当然、“勝てない場所‟はいくつもあります。

たとえば、僕はいまでこそ人前で話す機会が増えて、講演会を頼まれることもあるのですが、絶対に引き受けないようにしています。

僕は人から質問されて答えたり、人の話を聞くのは得意なのですが、じつは一人で話し続けるのは苦手なんです。

でも、僕はつねに自分が得意な分野でしか戦わないようにしているので、勝率が高く見えたりするんです。

なので、あなたが、仕事でほかの人より得意な作業があれば、それだけをやるようにして、ほかの仕事は「苦手なので」と極力やらなくて済むようにするのもアリだと思います。

それに引け目を感じる必要はありません。誰にだって得意・不得意はありますし、不得意な作業ができないのは当たり前のことですから。

人間は、人生のうちで何かしら成果を上げたことがあると、自信を持てるようになります。なので、自分が勝てる場所を見つけて、成功体験を増やしていくと、少しずつでも自信はついていくものです。

スキル×スキル=希少性

問題を解決する際や目標を達成する際には当然、自分の武器を持っていたほうがうまくいきます。武器が多ければ多いほど、成功確率も高まるでしょう。

ただ、こういう話をすると、「自分は学歴も職歴も外見もふつうだし、人に自慢できる特技もないから」と言う人がいます。でも案外、自分が持っている武器に、自分で気づいていないケースが多いんですよね。

たとえば、ギターがそこそこ弾けたとしても、「ギター弾ける人なんてたくさんいるよね」と思いがちです。でも、ギターを弾けるのは、じつは立派なスキルなんです。

本人にとっては当たり前のことなので、それをスキルだと思わなかったりするんですよね。

もちろん、それだけで食べてはいける人は少ないでしょう。でも、仮にギターを弾ける人が3割なら、7割の人が持っていないスキルを手にしていることになります。

さらに、じつは書道も初段の腕前という人だったら、その二つのスキルを組み合わせたことをやればいいんです。

仮に書道の初段を持っている人が3割だとしたら、その二つのスキルを持っている人は30%×30%=9%になります。つまり、その人は100人中9人しか手にしていない武器を持っていることになります。

もし、もう一つスキルがあれば、さらに自分の希少性は高まるわけです。