政権の延命を望む理由は「広島サミット」

なんとも冴えない岸田内閣だが、最新の共同通信世論調査では、「できるだけ早く辞めてほしい」は30.2%に過ぎず、「2023年5月の広島サミットまで」が23.6%、「2024年9月の自民党総裁任期まで」が29.4%、「総裁選挙で再選」が12.3%、無回答などが4.5%である。

私も思うところはいろいろあるが、次期総裁選挙まで頑張ってほしい。というのは、来年の広島サミットは世界の核軍縮という長期的な目標のために大事なチャンスで、そのときに、被爆地出身の岸田首相であることはとても大事だし、その首相がすぐにでも辞めそうな状況ではイニシアチブが取れないからだ。

春の広島平和記念館と日章旗
写真=iStock.com/TommL
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ただ、そこまで頑張るためには、これまでの政権運営を反省して、たとえば、「安倍さんならどうしただろうか」といったようなこともさまざまな局面で考えてほしい。

ポスト岸田は非世襲の茂木氏が最適任か

ポスト岸田はどうかと聞かれたら、現時点では、茂木敏充自民党幹事長が断然いい。世襲でないし、安倍政権下でも自力で難しい問題をよく処理し、安倍氏に評価されてきたわけで、自立した力がある。旧統一教会に関する「被害者救済法」のとりまとめでも辣腕ぶりを実証した。外交能力も実証済みだ。

河野太郎氏は、突破力はみとめるし、いつか首相になってほしいが、たとえば、中国との関係など、前回の総裁選挙で危惧された諸点を何も解決していないのが残念だ。

高市早苗氏に期待する声もあるようだが、安倍氏の後ろ盾のない状態で、どのような立ち位置になるのか、まだ見通せないのではないか。

菅義偉前首相の再登板は、もっとも無難だろうが、むしろ、副総理格で入閣して、思い切った改革を支えてくれるのが正しい役回りのように思う。

岸田首相はこのまま「自分の意見を言わない聞き上手」で終わるのか、国難を突破した名宰相となるのか。今はまさに、世襲政治家から脱皮できるかどうかの踏ん張りどころだといえる。

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