紛争に巻き込まれることを宿命づけられた国がある
地政学ではたびたび「バッファゾーン」という言葉が出てくるけど、知っているかな?
日本では「緩衝地帯」と呼ばれる地域や国のことで、簡単にいってしまえば「大国と大国にはさまれた国」のこと。これを、「バッファゾーン」と呼ぶんだ。
大国にとって「バッファゾーン」には大きな意味がある。
たとえば大国と大国が戦争になったとき、その中間にある国をバッファゾーンにすれば、敵が攻めてきたときにバッファゾーンで相手を押さえることができるし、直接自分の国が攻撃されないから被害が小さくてすむ。
だから大国は中間にあるバッファゾーンになりそうな国を自分の手下にして、敵からの攻撃を防ふせごうとするんだ。ただ、敵の大国も同じことを考えてバッファゾーンを自分のものにしようとするから、バッファゾーンではどうしても争いが起きやすくなるという特徴があるんだ。
朝鮮半島は現代の「バッファゾーン」
ぼくらの近くを見てみると、「現代のバッファゾーン」といっていい場所がある。
それが北朝鮮と韓国がある朝鮮半島だ。北朝鮮は中国やロシアと連携していて、韓国はそのライバルのアメリカと連携している、つまりライバル同士である大国のアメリカと中国・ロシアは「朝鮮半島=バッファゾーン」と考えている。そのため、韓国と北朝鮮は昔から仲が悪いんだ。
こんなふうに、地図を使って国の特徴や国の関係を解明していこうとするのが地政学なんだよ。