日本は海に守られた「シーパワー国」

日本は海に囲まれた島国だ。

海がまわりにあるから、攻められるとしたら敵は海を超えてくるよね。だから海の守りに力を入れるのが正解。海の力をもつ国を「シーパワー国(海洋国家)」といって、日本以外にはアメリカやイギリスがあるよ。

シーパワーの特徴は、なんといっても「海に囲まれていること」だ。

もし他国がシーパワーの国を侵略しようとしても、かならず船で海を越えなければならないよね。平地に比べ、海をわたって侵略するのはとてもむずかしく、リスクが多くあることから、シーパワーの国は他国から攻めこまれる危険性が低いんだ。

シーパワーの国々は、経済や貿易でも、漁業や船を使った海上貿易など、海を中心とした生活をおこなっている。だから、海での活動が制限されるとヤバイ。命綱を切られるのと同じくらい危ないことなんだ。

そのため、シーパワーの国は周辺の海を一生懸命守ったり、海外に基地をつくったりする必要が出てくるんだ。だから当然のように、シーパワーの国は、陸軍よりも海軍が強くなっていく。広い海を守るため、ほかのシーパワー国と協力するのも特徴だよ。

ロシアや中国は他国と陸続きの「ランドパワー国」

逆に内陸部にあるロシアや中国は、多くの国ととなりあっているから、直接攻めこまれてしまわないように陸の守りに力を入れたほうがいい。このように陸の利点を生かして強くなった国を「ランドパワー国(大陸国家)」という。

たとえば、ロシアを見てみよう。

地図で見てみると、たくさんの国とつながっているよね。だから自分たちの国や土地(領土)を広げようとしたり、資源や食料がなくなると、陸続きの国に攻めいって奪おうとするんだ。隣りあう国は、そうした攻撃から自分の国を守らなくてはいけないから、国と国との境(国境)に軍隊を置く必要があるよね。攻めるのも守るのも陸軍の力が必要不可欠なため、ランドパワーの国は陸軍が強くなるんだ。

経済も貿易も陸を使った行動が中心になるから、鉄道や建物をつくる力も高い。陸上でのやりとりが中心だから、「農業や鉱工業が得意」という特徴もあるんだ。いずれも、海より陸地に注目した生活や文化で発展してきた経緯があるんだね。