子ども、マンション、土地…分けられないものは揉める
②権利や資産の分割があること
メンタル面が整理整頓されても、親権の問題、財産分与、遺産分割は簡単ではありません。なぜならば、「かけがえのない愛する子どもを守る権利」や、マンションや土地といった「ひとかたまりの財産」など、到底分けることができない、または分けづらいものを分ける作業においては、問題は必然的に大きく複雑になるからです。
離婚するほど仲が悪い夫婦が話し合いをするのですから、「俺が稼いで築いた資産だ」と夫が主張すれば、今度は妻が、「私のサポートがあったからこそ築けたのよ」と主張する。
相続も同様で、親の築いた財産を兄弟姉妹で分け合う際、「お母さんは私に全てを任せたいと言っていた」と長女が言えば、「母は生前、自宅は自分に、保険を姉に、少ないけど預金は弟に渡すと言っていた」と長男が言う。この仕事をしていると、天国の故人にメールを送り、「どちらが本当でしょうか?」と質問したくなることもしばしばあります。
また、令和真っ只中の今、文明は進化、発展するばかりですが、法律は時に「時代遅れ」、もっといえば「非常識」ですらあると感じることも少なくありません。
法律を知らず「まさか」の事態に
③法律が絡むこと
結婚は愛し合う2人が一緒になり、愛を育みながら生活をするものです。しかし、同時に、結婚は法に則った契約で、権利や義務が発生しているにもかかわらず、それに気がつかない人、普段は意識しない人がほとんど。
その認識の甘さがいざ離婚となった際、親権や財産分与などで揉める火種になるのです。
相続も同様です。相続できる人や割合は法律で決まっており、愛情の量は関係なし。にもかかわらず、法律に無頓着でいたために、「まさか!」という人が法定相続人として浮上したり、法律で定められていない人にも財産を分けられ、割合を変えることもできるため、“争族”問題に発展したりすることが間々あります。
事前に万全の対策を講じておけば避けられるトラブルが、それを怠ったために、二進も三進も行かない泥沼にまで発展することもありうるのです。
いきなりですが、「離婚×相続」に関するクイズです。
皆様、チャレンジしてみてください。