離婚すれば前妻は財産をもらうことはできない

Q1 正解は②

離婚すれば、前妻は法定相続人ではなくなりますので、前夫が亡くなった際、当然には財産をもらうこと(遺産を相続すること)はできません。

しかし、遺言書で自分の財産(遺産)を誰にどのように分けるかを決めることができ、それは法定相続人以外でも構いません。もっといえば、個人でも法人でもOKです。

ですから、前夫が前妻に遺産をあげるということを遺言書で定めていれば、前妻も前夫の財産をもらうことはできます。

相手と夫婦でいることが嫌になって離婚するのですから、通常は元配偶者に財産を残すなどということはないのでしょうが、何かの事情で籍だけは抜くなど、形だけ離婚したような場合は、前夫が前妻に財産を残すためには遺言書を作成するといった相続対策をする必要がありますので専門家に相談しましょう。

「前妻vs.後妻」を避けるために

Q2 正解は③

この場合の法定相続人は後妻(法定相続分は2分の1)と前妻の子2人(法定相続分は各4分の1)です。

本来ならこの3人で遺産分割協議をすることになるのですが、前妻の子2人が未成年の場合には前妻がその法定代理人(親権者)として後妻と協議しなければなりません。

「前妻vs.後妻」で遺産分割協議、想像するだけで怖い構図ですね。特に本問の場合は、前夫が再婚さえしなければ、遺産は全て前妻の子2人が相続できたわけで、前妻からすると、死の直前に後妻と入籍した前夫が余計に腹立たしいことでしょう。

再婚者で前配偶者との間にお子さんのいる方は、まだまだ若くバリバリの現役世代であっても、万一に備えて、誰に遺産をあげたいのか、遺言書を書いておくことをお勧めします。