モザイクをかけた自分の顔写真がインスタにアップされ
N樹さんの久しぶりの恋愛へのテンションの高さはR帆さんも同じだったものの、違っているのは将来への思いだったという。
「独身のR帆ちゃんは35歳。『早く結婚もしたいし、N樹くんとの子どももほしい。いつ奥さんと別れてくれるの?』と、会うたびに離婚に対して圧をかけてくるようになった。R帆ちゃんとこのまま付き合っていたいけれど、子どもはかわいいので離婚はできないな、というのがオレの本音でした」
N樹さんがなかなか離婚の話を進めないことにR帆さんはイラ立ちはじめ、せっかく会ってもけんかをすることが増えていったある日のこと。いつものようにN樹さんが帰宅すると、育児で疲労しきった姿の妻が待っていた。そして、「はい、これ。慰謝料と養育費をしっかりもらえるなら、あんたなんかと別れてもいいから」と離婚届を差し出されたという。
妻が夫の不倫を知ったのは、育児の合間の唯一の気分転換に眺めていたインスタグラムだったとのこと。もともとフットサル仲間とも親しくしていた妻は、チームのメンバーとはSNS上でつながっていた。そこでたびたびアップされるフットサルの写真に、必ずといっていいほどの確率で夫のピッタリ横に映っている女性がいることに気がついたのだという。そこからたどっていったところ、割と簡単にR帆さんのインスタにたどりついた妻が見つけたのは「におわせ」の投稿の数々だったのだ。
妻に言われて、はじめてR帆さんのインスタを見たN樹さんは、驚きで言葉を失った。
「ホテルでセックスをした後、オレがうたた寝をしていた時に撮ったと思われる写真がたくさんアップされていたのは衝撃でした。さすがに顔にはモザイクがかかっていたものの、ホクロや傷の位置で完全にオレだとわかるものばかり。自分にまったく心当たりがないことも、『今日プロポーズされました』『赤ちゃんがほしいと話しています』などとデタラメな投稿されていることにも、ただただゾッとしました」
その晩は、朝まで修羅場が続いたものの決着はつかず、後日あらためて夫婦二人の両親とR帆さんを交えて話し合いをすることをN樹さんは約束させられたのだった。