肩書や特技だけで「この人はすごい」と思わせる

また自分ができないことができる人は優秀な人だと思ってしまう傾向があります。初対面の人から、このように言われたことがありました。相手「私は英語とスペイン語を習っていましてね」私「それはすごいですね! 会話ができるのですか?」相手「ええ、日常会話程度ですけどね」たいていの人は、英語は勉強はしたものの話すことはできず、ましてやスペイン語に関してはさっぱりです。

本来、英語やスペイン語ができることと、仕事ができることはほとんど関係ないのに、優れたビジネスマンであると評価してしまいます。またそのような人が商談相手でしたら、実力を確認する前から信用してしまうでしょう。

私自身、ハロー効果を感じたことがあります。初対面の男性と名刺交換をしたところ「えっ! 大学の先生なんですか!」と驚かれたのです。それからというもの、その人は私を尊敬のまなざしで見ていました。私自身、特別優れているわけではありません。にもかかわらず、大学講師というイメージが私の評価を高くしてくれたのです。

名刺交換の日本人
写真=iStock.com/kazuma seki
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また、本を出版しているだけですごいと思われるのもハロー効果の1つと言えます。大きな講演の候補に挙がった時のことです。私のほかに有名な人がたくさんリストアップされており「まず私になることはないだろう」と思っていたところ、なぜか私が選ばれたのです。その理由を聞くと「大学講師をしているし、本を多数出版しているのだから安心だ」ということでした。

これはまさにハロー効果のおかげです。

「1行で自分の魅力を全部伝える」

ハロー効果を営業活動で応用してみましょう。もしあなたが何か資格を持っているなら、それを最大限利用してください。社労士、行政書士、宅建、建築士、コーディネーター、FP(ファイナンシャルプランナー)……どの資格も持っていない人からすればすごいと感じるのです。

また公的な資格ではなくマニアックな資格だとしても効果があります。何か持っている資格がある人はさっそく活用してください。「営業の菊原智明」より「ファイナンシャルプランナー菊原智明」の方が信用されます。名刺に入れるのはもちろんのこと、メールを送る際も署名欄に「○○診断士 佐藤大輔」のように表記してください。あなたは自分のことを知っていますが、お客様は何も知りません。しっかりと伝えてハロー効果を活用してください。

・POINT
ポジティブなハロー効果で自分の価値を上げる


「1行で自分の魅力を全部伝える」くらいの気持ちで考えてみる。その1行でチャンスをつかむこともある。