結果を出す営業マンはどこが違うのか。営業コンサルタントの菊原智明さんは「営業マンのさまざまなテクニックは、心理学で説明ができる。たとえば話のオチを先送りすることで最後まで聞いてもらうというのは『ツァイガルニック効果』の応用だ」という――。

※本稿は、菊原智明『決定版 営業心理術大全』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

「有名大卒=仕事ができる」という思い込み

【ハロー効果/halo effect】
ハロー効果にはポジティブハロー効果とネガティブハロー効果の2つがあり、まったく逆の働きをします。ポジティブハロー効果とは、人や事物のある1つの特徴についていい印象を受けると、他のすべての特徴も実際以上に高く評価する現象のことを言います。ネガティブハロー効果とは人や事物に悪い印象を受けると、その他のことすべてに関して実際以上に低く評価してしまうことを言います。
リモートでも効果的、自分の価値を上げるハロー効果
リモートでも効果的、自分の価値を上げるハロー効果(出所=『決定版 営業心理術大全』より)

ポジティブハロー効果の例として代表的なもので言えば、卒業した大学によって評価されることです。私が勤めていた会社に有名大学を卒業した新人が入社してきたことがありました。その新人が有名大学を卒業しているということと、営業として優れているかどうかは本来関係のないことです。

しかしまわりの人たちは大騒ぎします。「すごい新人が入ってきたぞ」「これは即戦力に間違いない」実力を確認などせずに、有名大学を卒業したというだけで新人を優れた人材であると評価するのです。本当に優れている人もいるのでしょうが、実際のところそれほどでもない人の方が多かったのです。

これは大学だけではなく会社の役職もそうです。名刺交換をした時に「○○会社 常務取締役」や「統括本部長」という肩書を見た途端に「すごい人なんだろうな」といった印象を受けます。こういった思い込みをハロー効果と言います。