日本の産業構造の変化を促すチャンスである

それによって、ソニーとホンダが北米、さらに世界経済の成長の源泉として重要性が高まるASEAN地域の需要をより効率的に取り込む可能性が高まる。それが実現できれば、ソニーはTSMCとの合弁事業などを活かしてASEAN地域でも車載用半導体の生産体制を整備しやすくなるだろう。

このように、ソニーとホンダのビジネスモデル変革は、米韓台、さらにはASEAN地域の企業を巻き込んだ産業育成に発展する可能性を持つ。企業がリスクを負担しつつより効率的に事業を運営するために、アライアンス戦略の重要性は一段と高まっている。

世界経済の先行きは一段と楽観できない。米国では金利上昇によって個人消費が減少し、自動車需要の減少懸念は高まりやすい。しかし、そうであるからこそ、両社は他の企業との連携をさらに強化してモノづくりの底力を世界全体で発揮し、新しい需要創出に徹するべきだ。両社のさらなる自己変革は、わが国の産業構造の転換を加速させ、経済の実力向上にポジティブな影響を与える要素となるだろう。

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