9月に発売された最新iPhoneの価格は、いちばん手頃なモデルでも約2万円の値上げとなった。経営コンサルタントの鈴木貴博さんは「それでも日本のiPhoneは世界一安い。円安の影響で中古iPhoneは品薄となりつつあり、次のiPhoneはさらに高くなるだろう」という――。
1ドル=160円台ならiPhoneは15万円に
先日、ラジオで円安の話をさせていただきました。「円安で困ること」という質問にはストレートに「外国から輸入するものの価格が上がることです」と答えたうえで「象徴的にはiPhoneの価格がどんどん上がることで日本人は円安を実感すると思います」と答えました。
今年9月にiPhone14が発売された時に、その価格が高いということがニュースになりました。一番安い128GBモデルで11万9800円です。2021年9月に発売された時のiPhone13の128GBモデルは当初は9万8800円でした。約10万円から約12万円に値上がりしたわけで、そこからは円安の悲哀を感じ取ることができます。
それでは、円安がもっと進んだらどうなるのでしょうか。今のマクロ経済環境下では1年以内に1ドル=160円台というシナリオすら「ありうる」状況です。「仮に1年後、iPhone15が発売されたときの為替レートがそうなっていたら?」と電卓をたたくと一番安いiPhone15の価格が「15万円もありうる」という計算になります。
15万円というと体感的にはパソコンの上位機種の価格です。日本人はここまでの値上げについていくことができるのでしょうか?
日本のiPhoneシェア率は7割で世界一
日本人は世界で一番iPhone好きであることが知られています。Webトラフィック解析を行うStatCounterがさまざまな国からのアクセス解析結果を公表していて国別のiPhoneシェアもわかるのですが、直近の日本のスマホはiPhone対Androidが7:3の比率になっています。この数字は実は日本が圧倒的に世界で一番iPhoneのシェアが高い国であることを示しています。