「どっちもどっち」の思考は絶対にNG

論理的思考力を鍛えるために重要なのが、どんなテーマに対しても、「自分の中で結論を持つ」ことです。

世の中を二分する事件が起こった際、自分はどちらに理があると思うのか。「自分はこういう理由から、こちらが勝ったと思う」と、自分のなかで必ず結論をつけてほしいと思います。

周囲に自分とは逆の意見を持つ人がいるならば、「なぜあなたはその結論が正しいと思うのか?」ときちんと議論して、結論を出しましょう。

一番よくないのが、「どっちもどっちだな」という、あいまいな結論で終わらせてしまうこと。両論併記で終わらせてしまうのは日本人の悪い癖です。

論理的思考力を磨きたいという方は、絶対にこの思考に陥ってはいけません。どんな問題であっても、最後まできちんと白黒をつけると心に決めてください。

上念司『論破力より伝達力』(扶桑社)
上念司『論破力より伝達力』(扶桑社)

もちろん進行中の議論の場合は、「まだ状況が読めないので、結論が出ない」という可能性もあるかもしれませんが、「現時点で出ているエビデンスをもとにして考えると、この議論はこちら側に分がある」「推論ではあるが、あちらのほうが正しい」と、自分なりに意識して決めましょう。

討論番組などを視聴する際も、「この議論では誰が勝ったか」「その理由は何か」を自分のなかで白黒はっきりつけましょう。

なお、この「結果に白黒をつける」というトレーニングを行う際は、SNSを利用するのもおすすめです。いまの時代、ネット上のあらゆる場所で、いろいろな議論が展開されています。それらの議論を見て、様々な論理展開を学んでください。

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