〆のラーメン、そば、うどんは絶対にNG

飲んだあとの「〆」といえば、ラーメンでしょう。これこそ、背徳感の極致と言ってもいいかもしれません。

そもそも、お酒を飲んだあとに、ラーメンを食べたくなるのはなぜでしょうか?

一つは、アルコールを飲むことにより、先述した糖質以外の栄養素から糖をつくり出す「糖新生」が抑制され、血糖値が低下傾向になることが原因です。もし炭水化物を食べずにアルコール(糖分の入っていない)だけを飲むと、肝臓でアルコールの分解が優先されるため、肝臓での糖新生が抑制され血糖値が下がります。この瞬間に激しく炭水化物を欲するようになります。

もう一つの理由は、アルコールには利尿作用があるため、多くの水分や塩分が失われるからです。脱水に加えてナトリウムの欠乏もあり、塩分が濃いスープを飲みたくなるのです。

ラーメンやそばは、どちらもその要望を満たす料理なので、欲しくなるのだと考えられています。

しかし、〆のラーメンの麺は胃での消化が悪いだけでなく、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を引き起こすという意味でも最悪です。二日酔い防止を考えても、これだけは極力避けるべきです。

ただし、スープだけなら問題は少ないので、可能であれば麺はなしにしてもらうか、味噌汁を飲んで食欲を解消することをお勧めします。

鹿児島県の和食
写真=iStock.com/Pierre Aden
※写真はイメージです

お酒は体に悪いのか

「酒は百薬の長」という格言もある一方、お酒の飲み過ぎで肝臓がんや食道がんになって亡くなる人もいます。「お酒は体にいいのか、悪いのか」という議論は昔からありますが、ここでは生理学的な視点から考えたいと思います。

結論から言えば、「体に負担のない程度のお酒は体にいい影響があり、飲み過ぎれば悪影響しかない」が答えになるでしょう。

少量のお酒が体にいい理由は、先述した「糖新生」の回路を抑制する生理学的な事実に基づきます。

普段お酒を飲まない状況で食事をした場合、食事由来の血糖値の上昇と、タンパク質や脂質から糖をつくり出す糖新生という回路が同時に働いています。このため実際の血糖値は、純粋な食事由来より糖新生の糖質も加わって高めになります。

ところが、そこに若干のお酒が加わると糖新生が抑制されるため、血糖値の上乗せがなくなるぶん血糖値も穏やかになり、長寿のさまたげになる追加インスリン分泌も少なくなります。これが少量のお酒はむしろ体にいいという理由です。

これに対し、大量に飲酒した場合は、アルコール脱水素酵素が枯渇してしまいます。枯渇した場合、先ほどの軽めの飲酒のときのように糖新生が抑制されるため血糖値が上がりづらくなります。

しかし、軽めの飲酒時よりも糖新生が抑制されるため、体脂肪が分解されなくなるという事態も発生します。体脂肪が分解されないと、やがて脂肪肝になります。

まれに糖質制限をしているのに脂肪肝が改善しない人がいますが、その場合はアルコールの摂取量が多すぎる可能性があります。