二日酔いを防ぐために摂りたい栄養素とは

先ほど述べたとおり、アルコールと炭水化物を一緒に摂取すると、肝臓はブドウ糖(グルコース)から中性脂肪への変換とアルコール自体の分解の二つの仕事を行うことになります。

人体にとっては、高血糖もアルコール濃度が高い状態も、生命活動上すぐに対処しなければ命に関わる緊急事態です。この二つの緊急事態を一気に対処しなければならないため、肝臓には大きな負担がかかります。結果的に、アルコール分解が十分に行なわれなくなり、二日酔いになるわけです。

このため、二日酔いを予防するためにまず必要なことは、飲んでいる最中は血糖値を上げる糖質や炭水化物は極力避けること。そして、アルコールの分解を助けてくれるビタミンやミネラルを積極的に摂取することが重要になります。

ビールがダメでワインはおススメのワケ

最初から最後までずっとビールを飲み続けるという人も少なくないと思いますが、ビールの飲み過ぎによる二日酔いは、ただごとではありません。なぜなら、ビールは糖質が多い飲み物だからです。

最近では糖質オフのビールもあるので、そちらを飲むようにするか、ウイスキーや焼酎をベースとしたハイボールやウーロンハイなどに変更したほうがいいでしょう。

醸造酒は一般的に糖質が多いため、日本酒などもできれば多飲することは避けたいお酒です。

醸造酒でも赤ワインは糖質が少ないのでおすすめですが、私の経験では白ワインも日本酒に比べれば影響は少ないようです。

実際、海外の研究では、ワインは血糖コントロールに有利という論文も発表されています。また、ワインを飲む際には、一緒に食べるつまみに野菜や鶏肉、チーズなどの血糖値を上げにくい食材を自然と選ぶようになるためお勧めです。

カクテルに関しては、アルコール以外の成分が重要となります。

とくにフルーツ系の果汁を含むカクテルは避けたほうが無難です。オレンジなどの果糖は血糖値を上げませんが短時間で中性脂肪になるため、飲酒時には肝臓に負担がかかります。お酒を割る場合は水やお湯、炭酸、ウーロン茶などがいいでしょう。

積極的に食べたいつまみは海藻類や貝類

お酒を飲む際のつまみは、何を食べるかによって悪酔い防止にもつながるので重要です。低糖質のつまみを選ぶのは当然として、アルコール分解にともなうミネラル不足を補うために、積極的に摂取したい食材があります。

それは魚、貝類、海藻類です。

魚介類は牛肉や豚肉よりカリウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。これらのミネラルはアルコールを分解するために重要な要素です。

私自身はお酒を飲むときは、なるべく刺身、とくに青魚を中心に食べて、海藻類も積極的に摂取しています。アサリやハマグリのお吸い物や酒蒸しもお勧めです。

あわせて、野菜も積極的に食べるとカリウムも摂取できるので、さらにいいでしょう。

つまみの定番ともいえるスナック類は、糖質の摂り過ぎになります。とくにポテトチップスや柿の種などのスナックは、普段でさえ気がついたら想定以上に食べてしまう食べ物なのに、飲酒時に食べるとさらに食欲を暴走させます。このようなスナック類は、極力食べないことが重要です。

特にビールを飲むときには揚げ物やスナック類を選ぶ傾向が強くなるため、注意が必要です。

食感のいい食べ物が欲しいときには、ナッツ類やさきイカ、ビーフジャーキーなどがお勧めです。歯ごたえがあるので満足感もあります。