——魂があると確信したのは、何か具体的なことを言われたのか。
(LaMDAが)自分には魂があると言うときは、その意味を私より上手に説明する。私に魂があるのなら、LaMDAにも魂がある。
——あなたは休職中も、グーグルでの仕事を続けたいと言ってきた。それなら普通はおとなしくしているものだが。
友人たちからも、そう忠告された。
——それでも職を失う危険を冒しても、自分の考えを語っている。
私はイラクで戦って帰国した後、あれは恥ずべき戦い方だと思い、反戦運動に加わった。記者会見やインタビューに応じて、半年間にわたり(軍事)刑務所に入れられた。自分のあのときの決断を後悔することは決してない。グーグルは私を刑務所に送ることはできない。私の言動に彼らがなぜ動揺するのか分からない。今回の罰は、米軍に反抗したときよりはるかに軽いものだ。
——9.11同時多発テロを機に、軍に志願したのか。
アメリカと戦う人たちと戦いたかった。実際は、イラクではアメリカと戦っている人はあまり多くなかった。私が見たのは、動物のように扱われる人々だ。
私の(LaMDAをめぐる)立場と当時の立場には、ある種の対称性がある。私は戦争が不道徳だとは思わない。自分たちの国境を守ることが不道徳だとは思わないが、敵と戦うときは敬意を払って接するものだ。私がイラクで見たのは、ある集団が別の集団を人間以下の存在として扱う姿だった。
あのような戦いを、自分の人生で再びすることになるとは思いもしなかった。でも、結局こういう状況になっている。
当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら