ギリギリで始めて自分を追い込む作戦はリスクが高い

なお、「早くから取り組むよりギリギリで始めたほうが集中できる」と主張する人もいます。たしかに、「もう時間がない!」と自分を追い込むと驚異的な集中力が生まれる経験は私にもあります。

ただし、この作戦は正確に逆算ができていなかった場合、大ピンチに陥ります。定期試験の副教科などには使える方法ですが、期間も長く量も膨大な受験勉強では使わないほうがいいです。「いかに穴を埋められるか」勝負の受験では、早く本気になったもの勝ちです。

「1時間早起きして勉強しよう」はおすすめできない

「勉強時間を捻出するために、普段と違う時間帯に勉強をする」のはあまりおすすめできません。生活習慣や体内時計が乱れてしまい、集中できなくなるからです。

実は私も、勉強時間を増やすためにいつもより1時間早く起きて勉強をしていた時期がありました。しかし、この試みは残念ながら続きませんでした。理由は、体力的につらかったことです。また、気分がめいったりイライラしたりと、全体的に調子が悪くなってしまいました。結局、「朝早く起きての勉強は自分には合わない」と気づき、もとの生活に戻しました。

ベッドで頭を抱える女性
写真=iStock.com/Viktoria Korobova
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集中しやすい時間帯は人によって違います。早寝早起きは体にいいと言われますが、朝型の人ばかりではありません。要は、「自分に合った時間帯に勉強する」ことを規則正しく続けるのが大事なのです。

高校時代の私の生活は、朝7時半に起き、夜は12時半くらいに就寝。体調を崩してしまうので夜更かしはしないようにしていました。もっと睡眠時間を削れば勉強時間を増やせるとは思いましたが、失敗した経験から「自分には最低7時間は睡眠時間が必要」とわかっていたので、無理はしませんでした。休日も早朝からではなく、11時から20時くらいまでを勉強時間にあてていました。

現時点で極端に乱れた生活をしている人は、規則正しい生活にあらためたほうが勉強に集中できるようになるかもしれません。ただし、新しいリズムに慣れるのには時間が必要です。生活リズムや習慣を変えるなら、受験勉強を始める前までに済ませておきましょう。高3になるまでにいろいろと試し、自分に合ったリズムを見つけておけるといいですね。