インバウンド客を呼び込む施策を

まずは、インバウンドです。訪日客は、コロナがなかった2019年には3188万人でした。4兆8113億円の経済効果があったとされています。2020年のコロナ後はそれが激減し、2021年では訪日客数は82万人、消費額は1208億円まで落ち込みました。

ここにきて政府は、入国制限をなくすなどの措置を採っていますが、諸外国に比べて遅すぎる感は否めません。また、中国がいまだに「ゼロコロナ政策」を採っていることから、当面は中国からの訪日客増加はあまり見込めません。

最近、街では少し外国人を見かけるようになりましたが、まだまだです。日本は、外国人から見て行きたい国では常に上位に入っていますが、コロナ明けで外国人観光客を誘致したいのはどの国も同じです。

そうした状況を考えれば、訪日客を増やす施策を大いに考えるべきです。具体的には、訪日客は新幹線などJRの割引を受けられる「ジャパンレールパス」の購入ができますが、期間限定で政府が補助するなどでその料金を値引きする、航空運賃の補助をするなどです。

そして、今ほど円安のメリットを生かせる時はありません。先日、私の会社の顧客が米国に出張したら、都市部のホリデイ・インで1泊700ドルだったと言っていました。700ドルと言えば、10万円を超えていますから、日本では「超」高級ホテルでもそこまでの値段はしません。「超」高級旅館でも2食付いてもそこまではしません。私は、たまに牛丼のすき家で朝食を食べますが、好きな「納豆・牛まぜのっけ朝食」でも400円しません(ごはんミニ:360円、並:390円)。3ドル以下です。おそらく、ニューヨークの街角のカジュアルなお店で朝食を食べたら、20ドルはくだらないでしょう。

訪日客にとって、日本のホテル価格や飲食費の価格は、まるでバーゲンセールのように感じるでしょう。こうした日本の“武器”を生かさない手はありません。インバウンドは、対日投資などにくらべて、素早く結果を出しやすいのです。

逆に言えば、米金利などの低下など、何らかの理由で円高に進めば、インバウンド客にとってのメリットは薄らぐので、できるだけ早くインバウンドを呼び込む政策を採るべきです。

さらには、日本人にも国内旅行を今以上に促進すべきです。海外に行っても円安とインフレで旅費はとても高くつきます。それが、日本なら豪華旅行をしてもとても安いということをもっと認識すべきです。仕事なら海外出張も必要かもしれませんが、旅行なら日本にも素晴らしい観光地や食事もたくさんあります。10月11日から「全国旅行支援」が始まりました。「Go To トラベル」の後継ともいえる施策は国内旅行を促進するでしょう。

「やまなしグリーン・ゾーン旅割」ウェブページより
画像=「やまなしグリーン・ゾーン旅割」ウェブページより