ファーストリテイリングが展開するユニクロが先頃、東京・銀座のメーンストリートにグローバル旗艦店「ユニクロ銀座店」をオープンさせた。
ユニクロは2006年のニューヨークソーホー店を皮切りに、世界七都市にグローバル旗艦店を出店しているが、銀座店はユニクロ史上最高水準のグローバル旗艦店と位置付けられている。売り上げだけを重要視するのなら、人の流れの多い新宿のほうが適しているようにも思えるが、同社は国内ファッションの中心地で最先端の情報発信地でもある銀座から、ユニクロの「今」を日本国内、そして世界中に発信していくのだという。
今回、会計の視点で注目したいのは、同社のセグメント情報だ。セグメント情報とは、企業の業績などを一定の区分単位(セグメント)に分別した情報のこと。上場企業はセグメント情報を開示する義務があり、その内容も経営戦略の立案に直結するものが求められている。それだけに、個人投資家や取引先などにとって、その企業の将来性を占う貴重な材料といえる。
同社では「国内ユニクロ事業」「海外ユニクロ事業」「グローバルブランド事業」というセグメント別に売上高と営業利益ベースでの損益を明らかにしており、有価証券報告書のなかでも「当社の報告セグメントは(中略)当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります」と明記している。
人材、資本、技術などの経営資源には限りがあるが、そのセグメント情報を紐解くことで同社が国内、そして力を入れ始めた海外事業へどう配分するか、どこに軸足をおこうとしているのかがわかってくる。そこで国内と海外のユニクロ事業の具体的な数字を見ていこう。