「免責事由」「注意」といった文言には要注意
「言わなくても分からないだろう」と思うのは危険です。保険会社所定の診断書に「入院や手術等の原因となった傷病」などを主治医が記入しますが、その病院を紹介した医師や既往症などの記入欄もあります。
また、入院する際に、これまでの病歴や家族の状況などを看護師などから聞かれると思います。治療に必要なことですから、おそらくありのままを話すのではないでしょうか。その内容が保険会社に提出する書類にも記載されると思ってください。
保険会社に提出された書類だけで判断できない場合、5年くらいまでさかのぼって調査されることもあります。医療機関は診療録(カルテ)を5年間保管する義務があります。もし、通院や入院歴があれば、調査によって告知義務違反が明らかになる可能性は高いと思われます。
では「こんなはずじゃなかった」といった事態を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
「ご契約のしおり」や「約款」は保険会社のHPでダウンロードできるのが一般的です。とはいえ、膨大な約款を読みこなすのは現実的ではありませんので、少なくとも「ご契約のしおり」には目を通すようにしてください。
その際には、「免責事由」「注意!」「お支払いできない場合」「保険料の払込を免除できない場合」等の文言に注目してください。給付金等を「支払えるケース」と「支払えないケース」を具体的な事例で示していることも多いです。
「たすけあい」で成り立つ保険の限界
ここまで保険金や給付金が支払われないケースについてみてきましたが、これらは保険の限界を示しています。支払事由に該当しない限り保険金や給付金を受け取れないという限界、支払事由に該当しても告知義務に違反したり免責事由等に該当すれば保険金や給付金を受け取れないという限界です。
この限界は、保険が「たすけあい」のしくみで成り立っていることに由来します。契約者が支払った保険料は、個人のお金ではなく契約者共通の財産となります。その保険料は、所定の健康状態にある人が支払事由に該当する確率をもとに算出します。告知義務も所定のルールに基づいて給付を行うのも、契約者間の公平性を保つためです。しかし、「たすけあい」だからこそ、少しの保険料で高額の給付を受けることが可能になります。