「頼る」のは、ケガで病院に行くようなもの

先ほど、孤独は空腹や喉の渇きと同じ生理現象だと言いましたが、別の言い方をすると、孤独とはケガのようなものだと考えてください。

たとえば、ケガをしたら誰でも痛いと感じるように、孤独なときはどんな人もつらいという感情が湧いてくるはずです。または、毎日がしんどい、生きているのが苦しい、心がモヤモヤする、そんな気持ちが湧いてきます。

それは、自分自身の心が発しているSOSのサインです。そのサインを無視していては、つらい感情が消えることはありません。

あなたは、ケガをしたときは、病院や保健室で手当てをしてもらいますよね。それと同じように、一人ぼっちで苦しいと感じるときは、誰かに頼る必要があるのです。

体のケガの場合は、そのままにしておいたら自然にかさぶたができて治る場合もありますが、心の場合はそうはいきません。

「ほんの少しだから我慢すればいい」「大したことがないから放っておこう」とそのままにしていると、どんどん悪化していきます。

ちなみに、孤独を測る尺度は学術的に研究されていて、「孤独を感じる時間が長ければ長いほど重症化している」とされています。

孤独というものは、目には見えないし他人と比較することもできないので、「これくらい大丈夫」と、つい軽視しがちですが、早く手を打って長期化させないことがとても重要なのです。

孤独だと時間も解決してくれない

よく「問題は時間が解決してくれるよ」とか「心の傷は時間が癒やしてくれる」と言う人がいますが、これは言葉足らずだと言えるでしょう。

時間の経過によって悩みが消えたりつらい出来事を忘れられたりするのは、過ぎていく時間のなかで人と触れ合って慰めてもらったり、何らかの出会いがあって気づくことがあったりして、心が回復するきっかけがあったのです。

もしずっと一人で誰とも接触せず部屋にこもっていたとしたら、たぶんいつまでたっても傷は癒えません。驚くかもしれませんが、実際「あなたのいばしょ」にも、引きこもりを続けている40代、50代の方が中学時代に受けたいじめについて相談されるケースもあるほどです。

都会の夜景を眺めている若い女
写真=iStock.com/Satoshi-K
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