悪習慣② スマホを片手にベッドに横になる

就寝の際、スマホを片手にベッドに横になっていませんか? YouTubeやTikTokなどを見たり、ゲームをしながらでないと寝付けない、という人が増えています。電磁波による悪影響を指摘する人もいます。

夜、ベッドでスマホを使用する女性
写真=iStock.com/AntonioGuillem
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しかし、私から言わせると、スマホを見ながらでないと寝付けないという、依存体質にまず問題があるのです。

依存というと、ギャンブル依存症やアルコール依存症などがあります。いずれにしても、これらに共通しているのが「覚醒レベルの低下」です。

賭けごとなどをしているとき、私たちは一見興奮していて、覚醒している状態に思えます。

しかし脳科学的な観点からすると、ギャンブルに熱中しているときは、むしろ脳の覚醒レベルが落ちていて、正常でクリアな判断力を失っていることが多いのです。

このことは、他の依存症に関しても同様です。

YouTubeで毎日同じ番組を繰り返し見てしまう、同じゲームを延々と繰り返している……。そんな人はいませんか?

そのときの脳の状態は、覚醒レベルが低く、脳全体の働きが低下しています。代わりに脳の中で、刺激に対して興奮する「報酬系」だけが働いて、アドレナリンやドーパミンが出る仕組みになっています。

脳内物質の一つであるアドレナリンやドーパミンは、強い「覚醒作用」と「興奮作用」があり、別名「快感物質」と呼ばれています。刺激の強い脳内物質に脳がさらされ続けると、その刺激をつねに求める依存体質になるだけでなく、ふだんの覚醒レベルが落ちてしまうのです。

何かしらに依存している人の脳は、自分の覚醒レベルの低さを補うべく、より強い刺激を求めます。それを繰り返すのが、依存症ということになります。

就寝前にスマホでダラダラとネットサーフィンやSNS、ゲームをしている人は覚醒レベルが下がった状態です。それゆえ刺激を求めて、さらにスマホにのめり込んでいく、という悪循環に陥っているのです。

そのような依存体質にならないようにするために、就寝前はスマホの電源をオフにして、枕元から2メートル遠ざけておくようにすることを勧めます。

最初はつらいかもしれませんが、読書をしたり、音楽を聞いたり、あるいはアロマテラピーなどでリラックスすることで、スマホなしでも入眠することができるようになります。

悪習慣③ 「他人からの感謝」を振り返らない

とくに気分がマイナスに向きがちな人は、1日の終わりに「ほめ言葉ノート」や「感謝ノート」をつけることをお勧めします。

ほめ言葉は、あなたの脳を幸福感で満たします。

まずは就寝前にその日、何かに対して感謝したことを思い出して、ノートに書き記しましょう。

「朝、通勤途中で落とした切符を拾ってくれた人がいた。感謝」
「昼に職場で先輩から、来週のプレゼンの貴重なアドバイスをいただいた。感謝」
「今日、友人からゴルフの誘いがあった。感謝」
「夕日がとても美しかった。感謝」

誰かに何かをしてもらったことや、思いがけず感激したことに対して、感謝の言葉を書き留めるのです。

特段、大きな出来事ではなくてもいいのです。

むしろ、日常のちょっとしたありがたい気持ちを言葉にすることに意味があります。

心のちょっとした心象風景として、いずれ流されて記憶から消えてしまいそうなことも、こうして書き留めることで「感謝の蓄積」となります。

後で振り返ると、じつは自分は多くのありがたいことに囲まれていることに気がつくでしょう。

「感謝」を「幸せ」と変えてもよいでしょう。

1日を振り返り、ちょっとした幸せな気持ちを感じたことを書き留めるのです。庭に花が咲いていたとか、天気がよくて気持ちがよかったことも、ちょっとした幸せを感じることがあります。

そういう断片を書き留めてつなげておくのです。