天皇、皇后両陛下とも信頼関係を築いた

京に都があるときは、摂政・関白、戦前でも総理はそれを実践していたのですから、それは日本の伝統でもあり、当然です。その後、どうなったか知りませんが、ご退位の少し前には、安倍さんが殿下と複数回お会いになったことが「首相の動静」などで報じられていたので、よかったと思いました。

週刊誌報道などによると、雅子皇后は、安倍さんにたいへんな信頼を寄せられ、安倍さんを国葬で送られることを望まれていたといいます。

それが本当かどうかは知りませんが、雅子さまのこれまでのご苦労について安倍さんは、たいへん同情され、非常に温かい言葉で励まされていたといいます。それを皇后陛下もお喜びになったのではないでしょうか。

皇室の方には、へつらいを言う人は多いし、逆に無難な言葉でお茶を濁す人も多い。そんななかで、人間味のある言葉をかける人は少ないのですが、安倍さん独特のやさしさは、皇后陛下にとってとても貴重なものだったのではないかと想像します。

皇位継承問題をめぐる安倍元首相の特異性

また、安倍さんがNetflixで放映されている英国王室の内幕ドラマ「ザ・クラウン」をたいへん興味深く見ておられると人から聞きました。

ご本人に「本当か」と確認したら、「見てますよ。ボリス・ジョンソン首相に、“あれは事実なのか?”と聞いたら、しばらく間を置いてにやっと笑って“ノーコメント”と言ったから、だいたい本当らしいが、どうなんだろう」ということでした。

八幡和郎『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか』(扶桑社)
八幡和郎『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか』(ワニブックス)

「だいたい大下英治さんの政界ものと同じくらいには真実と思っていいと思いますよ」と言ったら、大笑いになりました。

皇室関係のことについては、皇位継承などほかにもいろいろ申し上げたし、それに対する反応もありましたが、これまでほとんど書いたことはありません。本人が亡くなったので、許されると思う範囲で記しましたが、これ以上はしばらくの年数は書きにくいテーマであるのでこのくらいにしておきます。

ただ、感心したのは、「どちらにせよ、皇位継承問題などについては、これまでの原則をある程度、変更しなくてはならないのだから、その人が国民にとって納得できるような人かどうかも大事だ」ということで、固有名詞を出していろいろ申し上げたのですが、非常に正確に情報を把握しているのに感心しました。皇位継承問題について論じる人のなかには、具体的な固有名詞を考えると難がある提案をされる方が多い中で、立派なものでした。

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