ドラッグストア業界のリーダーになれるか

21年のドラッグストア店舗数は1万7622店舗。前年比3.7%の増加です。

一方で売上高は7兆3065億円。前年比0.3%増です。

コロナ禍でインバウンド需要が消失し、ドラッグストア業界も曲がり角にきています。

【図表6】ドラッグストアポジショニングマップ
同社IRデータより筆者作成

日本のドラッグストア業界を整理すると、このようなポジショニングになっています。

ディスカウント強化型のコスモス薬品、カワチ薬品、クリエイトSD。

医薬品強化型のスギHD、ウエルシアHD。

コスメ強化型のマツキヨココカラ&カンパニー。

そして、クスリのアオキ、ツルハHD、サンドラッグなどのフード強化型です。

各社はそれぞれ、何らかの商品特徴を打ち出して、激しいドラッグストア業界、ひいては日本の小売業界を勝ち抜こうとしています。このような特徴をそれぞれが明確に打ち出している点では、他の小売業以上に戦略が明確であり、ドラッグストア業態の独自性を感じます。

一方で、業界内では「売り上げをどこまで伸ばせるか、店舗数をどこまで拡大できるか」という規模の競争が続いているように思います。

このドラッグストア市場での各社の今後の方向性は、食品スーパーやディスカウントストア、化粧品や雑貨など他の小売業へも大きな影響を及ぼします。

そのような意味でも、そろそろ規模の追求から抜け出し、顧客にとっての質の競争にシフトすることを望みます。

現在ではドラッグストアでも食品強化をしている企業は増えており、また立地によっては食品スーパーとドラッグストアとの競合も増えてきています。また最近ではコンビニでも生鮮食品を強化する店(例:ローソンなど)を増やしていて、業態を超えて競争が激しくなっています。

この点で、クスリのアオキのフード&ドラッグチェーンへの変化は、一つの方向性を示しているように思います。

現在のところ、売り上げ規模の割には全国区の知名度があるとは言えません。しかし、クスリのアオキのフード&ドラッグ業態が認知されていけば、業界の枠組みを超えて注目される企業になるはずです。

クスリのアオキがドラッグストア業界の新たなリーダーとなるか。その動向に注目です。

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