過去の出来事を「嫌な思い出」として“編集”したのは誰か?
嫌いな上司がいるからと言って上司をブロックしてしまえば、必要な業務連絡が届かなかったり、然るべき指示命令が伝えられなかったりして仕事に支障が出ます。
これは何かのプロジェクトをする場合でも同じで、誰ともコミュニケーションを取らなかったり、相手からの呼びかけを無視することであなた自身が孤立するくらいであればまだいいですが、最悪の場合は部署(チーム)やプロジェクトに支障が出て会社の業績に悪影響が出る可能性も考えられます。
そして、それを引き起こしたのがあなたの「人間関係のシャットダウン」だった場合、その責任の一端を解雇や減給・降格などであなた自身が引き受けなければいけない可能性も出てきてしまうのです。
このように考えてみると「ビジネスでの人間関係はシャットダウンできない」という制限は、むしろRe Connectのチャンスだと考えられないでしょうか? 「会社に行くのが嫌だ」「この人に会いたくない」と考えるのでは誰でもできることですし、起こりえることです。
ただ、そこに囚われ過ぎないで、考え方を一歩進めてもらいたいと思います。
では、Re Connectの具体的なステップに入っていきましょう。最初は「記憶の編集権」があなた自身にあることを自覚するところから始めます。相手との嫌な思い出が過去の出来事であり、それがあなたの頭の中の記憶である以上は、それは誰かによって“そのように編集された思い出”であることを意味します。
記憶のマスターテープは自分で編集できる
誰が編集したのかと言うと、もちろんあなた自身です。私は、親友の定義を「良い思い出がたくさんある人」としています。あなたにも親友がいると思いますので思い出してもらいたいのですが、本当にその人とは良い思い出しかないでしょうか。喧嘩をしたことは? つかみ合いになったことは? 絶交しかけになるまで言い争ったことは? そこまででなくても嫌な思い出が複数あるのではないでしょうか。
にもかかわらず、あなたとその人は今も親友なのはなぜでしょうか。
それは、あなた自身が長い長い「その人との思い出のマスターテープ」を自在に編集して、それこそ高校野球のハイライトのような映像集にまとめてしまっているからです。
これは決して悪いことではありません。むしろ、人間とはそういうものです。ただ、もしもそうであるなら、嫌な思い出しかない人もまた、あなた自身がマスターテープを意図的につなぎ合わせ、腹が立ったり、つらくて泣きたくなるような映像集に編集してしまっているからだとも言えます。
まずはそのことを認識しましょう。その自覚ができたら、マスターテープの編集権は自分にあることをあわせて自覚してください。