苦手な職場の同僚には、どう対処すればいいか。経営コンサルタントの原邦雄さんは「苦手だからと避けていると自分が損をする。そういうときは、相手の背景にどんな事情があるか、ひそかに都合のいい“妄想”をするといい」という――。

※本稿は、原邦雄『職場の人間関係が劇的によくなる!ほめコミュニケーション』(ワン・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

事務所で泣いている女性
写真=iStock.com/Tero Vesalainen
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人間関係で悩んだら過去の記憶を“上書き”する

人間関係の悩みは、相手との過去に何かの出来事があり、それを「嫌な思い出」として記憶してしまっていることから生まれてきます。そのとき、実際にそのように記憶しているのは相手ではなく「あなた」です。

悩みの解消のためには、相手に対する記憶を「良い記憶」に上書きする必要があります。これを私は「Re Connect(つなぎ直し)」と呼んでいます。

私は社会人として会社で働いている以上、人間関係の改善は業務の1つだと思っていますし、むしろビジネスの場というのは人間関係のRe Connectのチャンスがあふれていると考えています。

なぜなら、会社には“行かなければいけない”からです。

これがプライベート環境での人間関係であればそうではありません。

苦手な相手や悪い人間関係が存在するのであれば、そのコミュニティやグループから離れたり、嫌いな人とは付き合わない選択肢があります。

SNS社会の現代であれば、コミュニケーションをしたくない相手とは「既読無視」や「ミュート」や「ブロック」をしてしまえば連絡を絶つことができます。

相手が何を言ってきたとしてもあなたの側には通知されなかったり、無視したり、それこそ人間関係のシャットダウンができるわけです。

ところが、ビジネス環境ではそうはいきません。というか、それをすると困るのはあなたの側になってしまいます。