「昨日、渋谷に行ってきたんです」はなぜダメなのか

NG事例は、「昨日、渋谷に行ってきたんです。暑かったけど姪にプレゼントを買いたくて、109の方向に歩いて行ったんですよ。そうしたら、なんと月9に出ていた俳優さんとすれ違ってびっくり!」と時系列で物事を話してしまうようなケース。

正しいのは、「昨日、渋谷ですごくびっくりすることがあって……」と冒頭で「びっくりすることがあった」とトピックを抽象化して伝える方法。このほうが、端的に伝わります。

著者が「こんなにコスパの良いスキルはありません」と語る、説明力。本書を読んでこのスキルを磨き、デキるビジネスパーソンに一歩近づきましょう!

やる気は「出させる」より「なくさせない」が大事

第2位は、『こうして社員は、やる気を失っていく』でした。

松岡保昌『こうして社員は、やる気を失っていく』(日本実業出版社)
松岡保昌『こうして社員は、やる気を失っていく』(日本実業出版社)

あなたの会社のメンバーは、業務に対して十分なモチベーションを保っているでしょうか? もしそうでないなら、本書が良いヒントになるでしょう。

本書の著者は、人の気持ちを理解しない上司の対応などといった「やる気を下げる要因」を取り除けば、社員のやる気は勝手に上がっていくとしています。「忙しい」が口癖で部下と向き合わない上司、「こうに決まっている」と決めつける上司、失敗するたびに責任を部下に押しつける上司……。「あるある」とうなずく方も多いのではないでしょうか。

ポイントは、やる気は「出させる」より「なくさせない」という観点で考えること。やる気を個人的な問題とせず、職場の問題とみなして、やる気を「なくさせない」ための対策を講じましょう。

集団には、同じような人が集まるもの。取り組みを続けていくうちに、「やる気のある集団」が出来上がり、成果が変わってくるはずです。

不調の原因の多くは、自律神経の乱れにあり

第3位には、季節の変わり目の体調不良に悩む人におすすめの『結局、自律神経がすべて解決してくれる』がランクインしました。

小林 弘幸『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)
小林 弘幸『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)

季節の変わり目だけでなく、人事異動や引っ越し、親しい人との別れ、進学、就職、昇進、結婚、出産……そうした環境の変化によって、体調を崩したことがある方は多いでしょう。そうした不調の原因の多くは、自律神経の乱れにあります。

自律神経は、人の内臓の働きや代謝、体温などを自動でコントロールする仕組みのこと。活動的なときに活性化する「交感神経」とリラックスしているときに活性化する「副交感神経」の2種類があり、私たちの健康は2つのバランスによって保たれています。不調が生じたら、「自律神経を整えよう」という体からのサインだととらえましょう。

自律神経を整えるために試してほしいのは、良質な睡眠をとること。まずは「毎日何時間寝る」「何時に寝て何時に起きる」と決めることから始めてみてください。それにプラスして、寝室の環境を整え、副交感神経を活発にするスイッチをたくさん作っておくこと。リラックスできる音楽をかける、眠りを誘う香りを用意する、温めたタオルを首に巻いて首の筋肉を温めるなどが効果的です。

本書には、自律神経を整えるための生活習慣がたっぷり紹介されています。季節の変わり目や環境の変化を健康的に乗り切りたいなら、本書がヒントをくれるはずです。