毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、8月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サイトの編集部が紹介する――。
1万円札の束
写真=iStock.com/Asobinin
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要約サイトで人気だった「8月のビジネス書」ベスト20

第1位:『やわらかく、考える。』(外山滋比古著、PHP研究所)
第2位:『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス著、関美和訳、ダイヤモンド社)
第3位:『医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版』(和田秀樹著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第4位:『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(黒田尚子著、日本経済新聞出版)
第5位:『部下 後輩 年下との話し方』(五百田達成著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第6位:『22世紀の民主主義』(成田悠輔著、SBクリエイティブ)
第7位:『今さら聞けない お金の超基本』(泉美智子監修、坂本綾子著、朝日新聞出版)
第8位:『仕事は自分ひとりでやらない』(小田木朝子著、フォレスト出版)
第9位:『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(吉田裕子著、大和書房)
第10位:『因数分解思考』(深沢真太郎著、あさ出版)
第11位:『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(伊庭正康著、明日香出版社)
第12位:『ERROR FREE』(邱強著、牧髙光里訳、文響社)
第13位:『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン著、高橋璃子訳、かんき出版)
第14位:『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(ハック大学 ぺそ著、アスコム)
第15位:『今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略』(田中研之輔著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第16位:『世界を変えた31人の人生の講義』(ディヴィッドM. ルーベンシュタイン著、高橋功一訳、浜田敬子日本版解説、文響社)
第17位:『視点という教養』(深井龍之介/野村高文著、イースト・プレス)
第18位:『できないのはあなたのせいじゃない』(勝間和代著、プレジデント社)
第19位:『ストレス脳』(アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳、新潮社)
第20位:『こうして社員は、やる気を失っていく』(松岡保昌著、日本実業出版社)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2022年8月の閲覧数ランキング

「わからないことは放っておけ」いずれ血肉となる

今月の第1位は、『思考の整理学』で知られる外山滋比古氏の金言集、『やわらかく、考える。』でした。

外山滋比古『やわらかく、考える。』(PHP研究所)
外山滋比古『やわらかく、考える。』(PHP研究所)

変化が激しく、スピーディーに動くことが求められがちな時代だからこそ注目したいのは「わからないことは放っておけ」と題された章。

外山氏は「謎と疑問をそのままにしておくと、ある日偶然、その答えを悟ることがある」「読書においても、本当に影響を受けたと言えるものは、たいていはじめはよくわからなかった本だ」といったことを述べています。

その理由は、わからないから「どういうことだろう」「なぜだろう」と何度も心のなかで反芻し、心に残るから。きっとあなたも似たような経験があるでしょう。

また外山氏は「知識は時間をかけて深まっていく」ともいいます。知識は常に変化しつつ流れていくもの。ほとんどが消えてしまいますが、ごく一部が地面にもぐり、地下へと到達して、やがて泉となって湧き出すのです。

外山氏らしい知との向き合い方に勇気をもらえる一冊。忙しくてもちょっと立ち止まって、未来の自分のために読んでみませんか。