こんな質問はしてはいけない

するべきでない質問もある。誰かが成功しなかった、あるいはできなかった理由に重点を置いた質問は、部下に守りの姿勢や反発的な態度をとらせ、部下から力を奪うことになる。そのような質問は成功の機会を閉ざし、部下が目標を達成する助けにはならない。

この種の質問としては、次のようなものが挙げられる。

●なぜ予定より遅れているのかね
●このプロジェクトはいったいどうなっているんだ
●誰が足を引っ張っているのかな
●もっとましなことが言えないのか

誘導尋問は特定の答えを求めたり、質問者の主張を強引に押し通したり、同意を強いる社会的圧力をかけたりする。多くのマイナス面があるわけだが、なかでも次のような誘導尋問は、部下が正直に答えるのを阻み、率直な議論を抑え込むことになる。

●自分1人でやりたいと言ったよな
●ジョンが問題だと思わないか
●チームのほかのみんなはジョンが問題だと言っている。君はどう思う

特定の答えを要求する閉ざされた質問は、会話を始めたり打ち切ったりする方法としては有効なこともあるが、次のように連続して発せられると、部下は尋問されているような気分になる。

●今は話すのにふさわしいときかね
●会議は何時からだ
●何人出席する予定だ
●ほかに誰が出席しそうなんだ
●レポートはいつできるんだ

質問することで部下を導こうとするときに忘れてはならないのは、リーダーは部下と同じ程度にしか成功しないということだ。部下に適切な質問をすることで、あなたは彼らが問題解決能力や独創性や臨機の才を伸ばすのを手助けできる。

部下がこれらの能力を高めれば、それはあなたの手柄になるだけでなく、新しい課題が出てきたとき彼らが部署全体にとってさらに大きな力になってくれるということでもある。

(翻訳=ディプロマット)