また、自社株買いと消却も断続的におこなっており、利益配分政策も申し分ありません。海外売上高比率80%を誇るグローバル企業です。

薬の売値が原価よりもはるかに大きくなることを揶揄やゆした「薬九層倍くすりくそうばい」という四字熟語があります。製薬業界というのは、研究開発費こそ莫大な金額となるものの、一度承認されて販売できるようになれば、その製造原価の低さから、大きな利益が期待できるのです。

そのため、業界平均の利益率はかなり高くなっています。

また、新薬開発には10年単位の時間を要することから積み重ねが必要で、新規の参入障壁はかなり高く、新たなライバル企業が現れづらいのがこの業界の特徴です。基本的に儲かるセクターと言えるでしょう。

また、アステラス製薬のコミュニケーションスローガンは「明日は変えられる。」で、ホームページにスペシャルサイトが設けられています。人の想いが多分に伝わってくる内容で、読んでいると目頭が熱くなってきます。

こういう企業へ投資できれば、株価が低迷した時でも、応援したいという気持ちから長期保有の助けとなってくれるはず。また、その時に買い増しできれば、将来のリターンを加速してくれるでしょう。

株価はなかなか安くなりませんが、突発的な株価下落で配当利回りが3%を超えることが稀にありますので、その時が概ね買い時です。

ディスプレイ上のトレーディングチャート
写真=iStock.com/da-kuk
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業績悪化でも株主還元の姿勢を守る世界4強の一角

フランスのミシュラン、米国のグッドイヤーと並び、「世界3大タイヤメーカー」と呼ばれています。最近では、ドイツのコンチネンタルがグッドイヤーに肉薄しており、実質は世界4強の業界と言えるでしょう。

ブリヂストンは、業績が景気に左右される「景気敏感株」です。景気が悪い時には減配も当然にあります。

しかし、配当基本方針には、「連結配当性向40%を目安に安定的かつ継続的な配当額の向上に努めることを基本とする」とあり、コロナショックの影響で赤字となった2020年においても、30%程度の減配にとどめています。

業績が悪い中でも株主に配当で還元しようという姿勢が伝わってくる対応です。長い目で見れば配当は右肩上がりで、安心して長期保有できるでしょう。