2022年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。マネー部門の第4位は――。(初公開日:2022年1月28日)
今春からスタートする「東証プライム市場」。『株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える 決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方』(KADOKAWA)の著者で個人投資家のはっしゃんは、「東証1部の2191社のうち、8割以上となる1841社が新しいプライム市場に横滑りしており、期待外れだった」という。そこで、独自の指標で絞り込んだ「はっしゃんプライム200社」を紹介する――。
2015年4月23日の東京証券取引所
写真=iStock.com/GOTO_TOKYO
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東証プライム市場の銘柄を見て絶望した

※情報はすべて初公開時のものです。

従来の区分である「東証1部」「東証2部」「JASDAQ・スタンダード」「JASDAQ・グロース」「マザーズ」の5市場が、2022年4月から、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編されることになりました。この再編は、過去に東証と大証が統合した際に、それぞれの区分を残していたため、その違いが不明確になっているのを見直すためでもありますが、なにより東証1部に上場する企業が増えすぎてその質や市場への信頼性が低下している現状を打破し、企業が上場後も積極的に企業価値を向上させていく取り組みを促し、外国人投資家の投資を呼び込みたい狙いがありました。

ところがフタを開けてみると、東証1部の2191社のうち、8割以上となる1841社が新しいプライム市場に横滑りすることに。私はその顔ぶれを見て、半ば絶望的な気持ちになってしまいました。なにしろ、プライム市場に上場を許された企業の8割ほどは、右肩下がりの日本経済をそのまま反映させたような斜陽企業だからです。

私は年に4回発行される『会社四季報』は必ず購入し、全ページに目を通して投資候補となる次なる成長株を探しているのですが、新しいプライム市場の顔ぶれの大半は、その際に秒で読み飛ばしてしまう企業で占められています。これらの企業は本気で成長する意欲などないし、できるとも考えておらず、少しでも長く現状維持できれば十分だと考えている企業だからです。“ゾンビ企業”と言ってしまえば言い過ぎかもしれませんが、“ゾンビ予備軍”ぐらいには言っても差し支えないと考えています。

東証がこれらゾンビ予備軍企業に過剰な配慮をして、このような事態になるであろうことはある程度予想はできていましたが、6年近い歳月をかけて準備してきたにもかかわらず、あまりにも露骨な横滑りには落胆しかありません。ただでさえ人口が減少していく国なのに、こんなやる気のない市場再編をしているようでは、外国人投資家の資金を呼び込むことなど到底期待できないでしょう。本来は淘汰されるべきゾンビ予備軍企業を生き永らえさせている限り、いずれ日本経済のお荷物になり国民の負担が増すことになります。