2022年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。教養部門の第3位は――。(初公開日:2022年6月2日)
世界的な賢人12人のインタビュー・論考をまとめた『ウクライナの未来 プーチンの運命』が話題だ。「人は想像を超える事態を目にすると、しばしば思考停止に陥るが、目を背けてはならない。考え続けなければならない。賢人たちの言葉は、私たちにより深い視座を与えてくれるはずだ」と編集を担当したクーリエ・ジャポン編集部は言う。同書より、『サピエンス全史』で知られる歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリのインタビューを特別公開する──。

※本稿は、クーリエ・ジャポン編『ウクライナの未来 プーチンの運命』(講談社+α新書)の一部を再編集したものです。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏
写真=AFP/時事通信フォト
ブリュッセル自由大学の名誉博士授与後に講演するユヴァル・ノア・ハラリ氏=2020年1月27日、アントワープ

古い戦争と新しい戦争は両立する

──21世紀の戦争は、サイバー攻撃戦略やAI搭載兵器に決定づけられ、より冷淡で暴力性が低いものになるだろうと、私たちは考えていました。ところが、ウクライナ侵攻においては、ロシアが航空支援を受けた地上戦という昔ながらの図式にならっている様を私たちは目撃しています。