相手のわかる言葉を使って説明してみる

ちなみに、仕事や趣味などで、専門用語やカタカナ用語を覚えたら、それを誰にでもわかる言葉に言い換えてみると、説明することがうまくなると思います。

親や友人に、「『アジェンダ』はどう説明しよう?」とか、「『KPI』をどのように伝えよう?」など、相手のわかる言葉を使って、噛み砕いた説明の仕方を考えてみることです。

僕も昔は説明することが苦手でした。

たとえば、彼女に麻雀の説明をしても、その説明がわかりにくくて、しかも相手が理解できないことを詰めてしまい、泣かせたこともあるくらいです。そのころは平気で専門用語を使っていました。

立ったままノートパソコンを片手に説明する女性
写真=iStock.com/PrathanChorruangsak
※写真はイメージです

しかし、そのあと、専門用語を使わずに、ほかのゲームのたとえとか、相手が知っている単語だけで説明をするとか、少ない語彙のなかでわかりやすい表現に言い換えることを心がけたことで、説明することがうまくなったと思います。

要は、無理に語彙を増やす必要はないんですね。

相手の考え方を変えることはできない

相手に欠点を直してもらいたいときや、職場などで和を乱す行為をなくしてほしいときなど、誰かを説得したいと思う機会があるかもしれません。

でも、説得するという行為は意味がないと僕は思います。

説得するというのは、「説得で相手の考え方を変えられる」ことが前提になりますが、相手の考え方を変えることはできません。

表面上はわかったようでいても、「そういわれても、信じられないな」などと思われて、腹の底から「納得」させることは、なかなか難しいことです。

職場の先輩の、周囲と協調しない態度を改めてもらいたいと思っても、もし後輩に説得されて改めるぐらいなら、最初からとっくに改めているはずですよね。

相手の人がちゃんと論理的に考えることができ、物事を好き嫌いではなく正しさで判断できるのであれば、説得によって変わる可能性はあります。

でも、そういう人は、僕の経験では10%いるかどうかです。