“レア豚カツ”を売りにしている店もあるが…

〈牛の内臓〉

牛のレバ刺しは提供禁止、牛刺しや牛たたきなど牛肉の生食は、加工基準が厳重に決まっています。しかし、牛のハツや胃、ハラミなどのいわゆる内臓肉は、法的な規制がありません。そのため生で提供している店があります。しかし、牛の腸内には腸管出血性大腸菌がいる場合が多く、内臓肉も汚染されている可能性を否定できません。レバ刺しと同じで、家族や友人にも被害をもたらす可能性があります。

〈レア豚カツ〉

豚肉・内臓は、食品衛生法により生食での提供は禁止されています。そこで、「レア」を売りにする店があるようです。しかし、豚肉の場合は牛肉とは異なりレアは危険です。牛肉での問題が主に細菌の付着であるのに対し、豚肉は菌に加えE型肝炎ウイルスや寄生虫のリスクがあります。E型肝炎ウイルスや寄生虫は肉の中に入りこんでいるため、レアで加熱不足だと、そのままこれらを食べてしまう恐れがあります。

【図表3】豚カツの外観、断面
豚カツを180度で揚げた時の外観、断面の違い。揚げ時間1分30秒だと、揚げた直後はピンク色で余熱により白くなる。内部の菌やウイルスを不活化する加熱条件を満たすには、2分30秒以上揚げなければならない。(出典=食品安全委員会

180度で1分30秒揚げた豚カツは、加熱直後は断面がピンク色で、時間がたつと白くなります(図表3)。こうした豚カツを出す店は少なくありませんが、中心部が75度以上1分間以上という加熱殺菌条件をまったく満たしていません。揚げ時間が2分30秒以上だと、余熱も含め殺菌条件を満たしています(図表4)。

【図表4】豚カツ調理中の内部の最低温度の変化
(出典=食品安全委員会

テレビ番組が人気商品として紹介し謝罪したメニューも

〈レアハンバーグ〉

こちらも最近増えてきました。ハンバーグは、挽き肉を練って作るので、肉の表面にいた菌が中心部に入り込んでいる恐れがあり、中心部までしっかり加熱する必要があります。

以前、成型肉(細かい肉片を結着して成形した肉、結着肉、サイコロステーキなどの名称で売られることもある)が原因で腸管出血性大腸菌食中毒が発生したことがあります。それと同じことがハンバーグでも起こり得ます。

〈野生ジビエの刺身、たたき〉

こちらは、もっとも怖い生食でしょう。野生のシカやイノシシは、何を食べてどう生きてどのような病気を持っていたかわかりません。もちろん、食肉処理するときに異常がないか調べますが、目視が中心で限界があります。細菌汚染のほか、E型肝炎、寄生虫などが懸念され、生で食べて感染した事例があります。先日、テレビ番組が人気店のメニューとして紹介し、謝罪に追い込まれました。