2回に渡って紹介した『元祖テレビ屋台奮戦!』、いまとなっては絶版なのが残念至極である。興味のある方は、ぜひ中古を探してでも読んでいただきたい。これも残念ながら絶版だが、ご本人の口述した『元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学』(井原高忠・恩田泰子、愛育社)もまた素晴らしい(『元祖テレビ屋台奮戦!』よりも若干パワーが落ちるが)。井原マニアの僕は井原が出てくる本はことごとく読んでいるが、その中ではすでに触れた小林信彦『テレビの黄金時代』(文春文庫)、井原組で活躍し日本テレビのプロデューサーとなった齋藤太朗の『ディレクターにズームイン』(日本テレビ放送網)の2冊が秀逸である。こちらもよしなにどうぞ。

長々と話をしてきたが、『元祖テレビ屋台奮戦!』は2度にわたって決定的なインパクトを僕に与えてくれた本である。1度目は仕事をする前の若いころの僕に「好きなことを仕事にする」とはどういうことかを教えてくれた。2度目は競争戦略に関する仕事をしている中年の僕に「戦略をストーリーとしてつくる」とはどういうことかを教えてくれた。その後の井原高忠はハワイに移住し、現在ではアトランタで悠々自適の生活を送っているという。この本に遭遇したのは本当に幸運だった。心の底から感謝している。井原さん、ありがとうございます!

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