虫けらのように扱われることでたどり着いた正解

ここからは、代表受付や部門受付を何とか突破し、アポイントを取りつけたい相手にたどりついたケースです。受付突破できても、ここから営業マンにとっては一気に難易度が高くなります。

⑤「ごあいさつにお伺いしたい」「情報交換にお伺いしたい」「ぜひ、ご提案させていただきたい」

これらすべて定番フレーズですが、今時、そうした飛び込みの電話がかかってきたら、「時節柄、不要不急の面談は禁止されております」でいいでしょう。

ここでのポイントはこの言葉の後に相手の反応を待たずに、「スミマセン」と事務的に言って電話を切ってしまうことです。

正直に言います。

新規開拓の営業マンにとって、一番、へこむのはこちらが話している最中に電話を切られてしまうことです。「無視されること、無関心に扱われること」は実は怒られるより、つらいものです。

私はリクルートの新人時代、左手にガムテープで受話器を巻かれ、1日100本のアポ取り電話をしていました。営業トークや声色もいろいろと試しました。リクルートのトップセールスだけではなく、当時、日本で「営業が強い」という企業のトップセールス全員に会ってリアルな営業を見せてもらい、どうしたらニーズのある顧客からアポが取れるのかの正解を知りました。

なぜ、その正解にたどりつけたかは「ガチャ切り」や「虫けらのように扱われること」に腹が立ったからです。

人を邪険にするということは、邪険にしたほうも心中穏やかではないでしょう。しかし、ほとんどの人が仕事に追われているのに「ごあいさつ」に対応する余裕はないでしょう。

「ガチャ切り」は勧めませんが、「時節柄、不要不急の面談は禁止されております」と伝え、「スミマセン」の後に相手の反応を待たず、受話器を置くのはアリではないでしょうか。

「スミマセン」と謝罪していますし、こちらも自分にとってはどうでもいい話で、仕事を中断させられているのですから。

「ぜひ、ご提案させていただきたい」「5分でも結構なので」というゴリ押しもしかりです。

これが迷惑な営業マンがやりがちな「5つの手口」です。それぞれの対処法をぜひ参考にしてください。

商談で観測される迷惑手口

ここからは「商談」での迷惑な手口を2つ紹介します。

①一方的な売り込み(プロダクトアウト型)系

商談で最も迷惑がられるのは、人の話を聞かずに一方的な売り込みをする営業マンです。そもそも「お困りごと」や「課題」、「興味・関心がどこにあるか」などお構いなしで、相手の課題やニーズに自社商材を絡めることすらできません。

それでも、役に立つ情報やヒントになる事例などが聞ければいいのですが、そうした話題もなく、ひたすら商品説明を続けてしまう……。

そうした営業マンをかわす方法は、時間の制約をつけることです。

つまり、そのまま商談を続けても時間の無駄と判断した時点で、「申し訳ない、○○さん、急な会議が入ってしまって……」と商談を切り上げてしまうのです。

その後、連絡があったら「他社で決まった」と告げてクローズにするのがスマートです。

営業マン側からすると「2回目訪問ができない」ということになるのですが、非常によくあるケースです。