大学生が考える良いばら撒き

【原田】Z世代の間で他に盛り上がったり、政治に関心がいくようなイシューはないのでしょうか。

【田中】そこまで大きな話題になっているわけではないですが、給付金などはコロナ禍で話題になり、気にしている人もいると思います。

【原田】LGBTQ+以外だとしたら、Go Toや給付金のような、場合によってはばら撒きと言われてしまうこともある政策に目を向けやすいというわけですね。

【井上】LGBTQ+とGo Toや給付金のような政策しか刺さってないのが現状だと思います。自分に身近な問題でなければ、Z世代の間で刺さらないのかもしれません。

【原田】ばら撒くにしても、良いばら撒きと悪いばら撒きがあると思うんだけど。例えば返済不要の給付奨学金であれば、現状奨学金をもらっている大学生は50%以上もいるから、学生にとっては教育機会を平等にするという意味で、良いばら撒きですよね。他に良いとされるばら撒きはありますか?

【鈴木】僕らは世代が過ぎてしまいましたが、中学校まで給食費無料などは大事なんじゃないかなと思います。原材料の高騰により、公立の学校のメニューが貧相になったというニュースもこの間見ました。自分たちの中学時代を振り返った時に、給食が貧相だったら嫌だなと自分ごとで考えやすいので目を向けやすく、良いばら撒きだと思います。

高齢者よりも若い世代の政策を

【原田】なるほど。奨学金や給食費といった教育や学生支援に関することが「良い」と捉えやすいんですね。

【後藤】最近Twitterで明石市の市長がバズっています。高齢者ではなく、自分たちよりも下の世代にフォーカスしていることに好感を持ちました。

【原田】子育ての政策は、その親に向けた政策でもある。ただ、いまの話からすると、現役世代への政策を持った上で現役世代に届くだけの強い発信力を持つことも重要になってくるのかもしれませんね。