グループのメンバーは1年間、変わらない。長距離などフィットネス強化の練習でも、この4グループで競わせる。勝ったグループにはご褒美がつく。楽しみながら競い合い、信頼関係構築にもつながるというわけだ。

コーチングスタッフもまた、毎日、練習前後にはミーティングを開く。「役割分担」を明確にする。

「自分の仕事をしっかりやることが大事です。目標を設定し、情報を共有する場があれば、全員が一貫性を持って同じ方向に進むことができます」

その潤滑油、いいコミュニケーションを築くためには「ディシプリン(規律)」が重要となる。

「ミーティングでは必ず、議題と、何を達成したいかを明確にする。コーチミーティングは30分以上やらない」

企業をみると、長い会議がやたら目立つ。長時間の会議は?と聞けば、笑いながら、両手で「×」をつくった。

「ダメダメ。人の集中力はマックスで1時間でしょ。目的を決め、意識と集中力を持ちながらじゃないと、ミーティングの意味がない」

エディーは選手との1対1の面談を毎日のように開く。グラウンドでも気がつけば、その場で声をかけ、練習後にもう一度、個人面談を開く。

さらに強いチームには「カルチャー」がある。規律があり、プライドがあり、目指す方向が定まっている。

企業でも同じだろう。トヨタ自動車にはトヨタの、ユニクロにはユニクロのカルチャーがある。

「カルチャーがあれば、大事なことを守ってくれる。あいさつだったり、掃除だったり。試合でいえば、あきらめない、精度にこだわるプレーです」

そのカルチャーを根付かせるためには、常に強調し、常に意識させていくしかない。根気よく、同じことを言い続けるのだ。