「完成度が100点満点中10点」くらいの発言も大事

僕の知り合いのテレビのディレクターさんも、会議や番組には「おもしろくないことを言う人が必要だ」と言っていました。そういう「完成度10点」くらいの発言をしてくれる人がいると、まわりも「20点、30点」くらいの発言をどんどんしてくれるようになり、話し合いが活性化するようです。

輪になって椅子に座り話す人たち
写真=iStock.com/Jonathan Erasmus
※写真はイメージです

このように、会話は「中身のない話」で一気に盛り上がりやすくなります。とくに会話の冒頭で意図的に中身のない話をしていけば、心理的な壁がくずれ、これまでうまく話せなかった人とでも会話がはずむようになるはずです。また、LINEやチャット、会議などの場でも同様に、話が盛り上がりやすくなるでしょう。まずは、しょうもない、くだらない話を、積極的に会話に織り交ぜる。そこから始めてみてください。

「キーワード」でつなげると会話はうまくいく

会話を盛り上げるためには、キーワード、テーマでつないで話す意識も大切です。

基本的に会話とは、流れのなかで行われるものです。誰かが「趣味」の話をしたから自分も趣味の話をする。「学生時代」の話が出たならその話題でつなぐ。それが会話の基本形です。多くのバラエティ番組、トーク番組もテーマが決まっていて、流れのなかで順番に話をする構成になっています。

『踊る!さんま御殿‼』はその典型だといえるでしょう。テーマに当てはまる人が集められて、順番にトークをしていく。それを明石家さんまさんがイジッたり、ツッコんだり、ボケたりしながらつないでいきます。テーマが決まっていることで、いわゆる「話のプロ」でない人たちでも話しやすく、会話が盛り上がりやすくなっているのです。

その正反対にある番組が『人志松本のすべらない話』です。「すべらない話」という番組名だけでハードル爆上がりですが、「次は○○!」と毎回仕切り直してから話し始めるため、さらにハードルが上がった状態で話さなければなりません。それだけに出演者たちは完成されたトークをしなければならず、一つひとつの話がまるで漫談のようなおもしろさがあるわけです。