⑦ひとり暮らしをすると寿命が縮む

あらゆる尺度から見て、推定よりも長生きする人たちがいる。

ジョー・マーチャントの著書『「病は気から」を科学する』によると、コスタリカ人はアメリカ人の約5分の1しか個人的な財産を所有しておらず、医療もじゅうぶんではないが、長生きしている。そのうえ、コスタリカ有数の貧しい地域、ニコヤ半島の住民は、肥満や高血圧の割合がかなり高いにもかかわらず、中でもいちばん長寿なのだ。

ビル・ブライソン『人体大全』(新潮社)
ビル・ブライソン『人体大全』(桐谷知未訳、新潮社)

しかも、彼らのテロメアはふつうより長い。一説によると、親密な社会的結合と家族関係が恩恵をもたらしているのだという。

興味深いことに、ひとり暮らしをしたり、最低1週間に一度子どもに会えない状態が続いたりすると、長いテロメアの利点は消えてしまうことがわかった。愛情に満ちたよい関係を築くことがDNAを物理的に変えるというのは、驚くべき事実だ。

逆に、2010年のアメリカの研究によれば、そういう関係を築かなければ、原因にかかわらず死亡するリスクが2倍になるという。

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