アメリカにおけるサプリメントの問題

アメリカには、食品医薬品局がサプリメントをほとんどまったく監督していないという、もうひとつのやや驚くべき問題もある。

どんな処方薬も含まれず、人を死なせたりひどく害したりしないかぎり、メーカーはほぼ好き勝手にサプリメントを売ることができ、「純度や効能についてはなんの保証もなく、用量についての決まったガイドラインはなく、認可薬とともに製品を摂取したとき起こるかもしれない副作用についてなんの警告もないことも多い」と『サイエンティフィック・アメリカン』の記事は指摘した。

サプリメント製品には効果があるかもしれない。誰もそれを証明しなくていいだけだ。

デナム・ハーマンはサプリメント産業とはまったく関係がなく、抗酸化理論の代弁者でもなかったが、抗酸化ビタミンCとEを大量に摂取し、抗酸化物質の豊富な果物や野菜を大量に食べるという健康法を生涯にわたって続け、それはなんの害も及ぼさなかったと言っていいだろう。ハーマンは98歳まで生きた。

③40歳を過ぎると臓器に届く血液量は減少し続ける

たとえ健康に恵まれていても、老化の影響から逃れられる人はいない。年を取るにつれて膀胱は弾力を失い、これまでのようには持ちこたえられなくなる。だから、老化の呪いのひとつとして、常にトイレから目が離せないのだ。

皮膚も弾力を失い、乾燥して硬くなる。血管が破れやすく、あざができる。免疫系が、以前ほど確実に侵入者を探知してくれない。色素細胞の数はたいてい減るが、残っているものがときどき増大して、染みや肝斑をつくる。肝斑といっても、もちろん肝臓とはなんの関係もない。皮膚と直接の関連がある脂肪層も薄くなるので、高齢者は体が冷えやすい。

もっと深刻なのは、年を取るにつれて、1回の心拍で押し出される血液量が徐々に減っていくことだ。先にほかの病気につかまらなくても、最後には心臓が力尽きるだろう。それは間違いない。そして、心臓から送り込まれる血液量が減るので、体内の器官が受け取る血液も少なくなる。40歳を過ぎると、腎臓に届く血液量は平均で1年に1パーセント減少する。