5%社員は「人生の優先順位」を決めている

【やめるコツ②】いきなり解決策ではなく、まず「理想」を掲げる

大量の仕事を片づけるための解決策は、「とにかく早く片づけること」と考えられがちです。しかし目の前の解決だけを考えていると、同じ問題が繰り返されて、根本解決ができません。

それに加えて、意外なことに、仕事の時間をうまくコントロールしている5%社員は、仕事よりも家族の時間を優先していたり、自分の余暇を楽しみたいから早く仕事終わらせていたりしました。

この結果について、該当する5%社員にヒアリングしたところ、「人生の優先順位を決めると、目の前の課題を根本解決しやすくなる」との返答があり、ハッとさせられました。

「仕事」「愛」「学習」「余暇」の4つで考える

ミネソタ大学の名誉教授で、アメリカにおけるキャリア・カウンセリングの発展に貢献したサニー・S・ハンセン博士は人生の役割を、次の4つ(通称「4L」)に分けました。

越川慎司『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
越川慎司『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「Labor(仕事)」「Love(愛)」「Learn(学習)」「Leisure(余暇)」、人生の理想像を考えるときは、この4Lにどんな順番をつけるかが大切です。「4Lの優先順位を決めることで、仕事の仕方も変わってくる」と発言する5%社員もいました。

仕事の中の優先順位ではなく、仕事を含めた人生の優先順位をぼんやりと考えることでエネルギーのかけ方が見えてくることもあります。

家族との「Love(愛)」を優先させるなら、残業しないように無駄な業務をやめることができます。「Learn(学習)」を優先させるなら、目の前の小さな成功に固執することなく失敗を積み重ねて学習し、大きな成功に近づく戦略を考えられます。

このように考えれば、外部要因などに惑わされず、自分軸で「やめること」を決められるのではないでしょうか。

なお4Lの優先順位は、半年に1回の頻度で再考することをおすすめします。