また全損の場合に支払われる保険料は、事故時点の車の価値と同じなので、車の時価総額が毎年20%ずつ下がることを考えると、新車分は絶対に出ないということ。「車両新価特約」をつければ回避できますが、そうすると保険料がまた上がってしまいます。
どう考えても車両保険は不要です。入るべき任意保険は「対人・対物無制限、車両保険なし」なのです。
不動産業者がすすめる火災保険は要注意
火災保険は「発生する確率は低いけれど、起こったら損害額が大」という事態のための保険ですから、保険のセオリーからも入ったほうがいい保険になります。
火災保険は価格の安いものから高いものまでありますが、その差は何でしょうか。そもそも火災保険は火災だけでなく、風災や雪災、水漏れ、盗難など、その補償範囲は幅広いのです。その補償範囲は自分で選べるため、補償を多くつければ保険料は高く、最低限なら安いということです。また地震保険は単体で加入できず、火災保険とセットで入ることになります。
しかし問題は賃貸の場合です。賃貸の人は、家を借りるときに不動産業者にすすめられるままに保険に入っている人が多いのではないでしょうか。業者指定の火災保険は、不動産業者のマージンが上乗せされて価格が高くなっているものが少なくありません。また本当に必要な補償がついていないケースもあります。
賃貸契約後に保険を切りかえることも可能
本来は賃貸契約時に「自分で選びます」といえるのがベストですが、あとから切りかえることも不可能ではありません。その場合は、契約書の火災保険の記載を確認して不動産業者に相談しましょう。改めて自分で火災保険を選ぶときは、災害のときに補償がつくかどうか、賃貸でどこまで必要か、自宅の立地条件を考慮して判断しましょう。
近年の災害リスクの増加を受けて、2021年に火災保険料の参考となる火災保険参考純率が改定されて、大幅に値上げになる地域もあります。今加入している火災保険を見直して、割安でも必要十分なものに入るようにしましょう。
繰り返すようですが、入るべき保険は「起こる確率は低いけれど、起こると損害が大」な事態に対するものです。そう考えると不要なのは、図表3の6つになります。