ツイート「拡散」が共産党躍進を生んだというデータ分析
次の図表1と新聞記事を読み、続く問いに答えてください。
毎日新聞と立命館大のネット選挙共同研究では、ツイッター利用者と各党候補者の投稿(ツイート)を収集・分析し、選挙への影響を検証してきた。これまでに共産党候補者のツイートがツイッター利用者による引用・転送(リツイート=RT)によって効果的に拡散し、民主党候補者のツイートはRTによる拡散力が弱い傾向が判明している。
共産党は12年ぶりに選挙区で議席を獲得。RT数が3万1000件に達した吉良佳子氏(東京)は70万票、2万5000件の辰巳孝太郎氏(大阪)も46万票を得た。落選者でもRT数1万件以上が4人おり、うち2人は得票数が25万票を上回った。比例当選者も2人がRT数1万件を超え、RTによる拡散力と得票数の相関が認められた。
※引用元:「共産に『ネット効果』 本紙・立命館大分析」『毎日新聞』2013年7月31日朝刊(一部省略)
問 ネット選挙運動が当落に与えた影響を分析したとするこの記事は、共産党候補のツイッターへの投稿(ツイート、呟き)の拡散(リツイート、RT)が、共産党候補の当落や得票数に影響を与えたこと、さらには2013年参院選での共産党の躍進の要因であることを示唆しています。すなわち、共産党候補の当落や得票数を結果、呟きの拡散を要因とする因果関係の存在を主張したいようです。その根拠として提示されたのが、①RT数を横軸、②共産党候補の得票数を縦軸に配し、両者が相関しているように見える図表1の散布図です。
そこで、この①②共通の要因となる交絡因子を1つ提示することで、そのような因果関係は幻である可能性が高いと指摘してください。
注:交絡因子……2つの要素の間に相関関係を生み出す第3の要素
この先にはヒントとなる解説が書かれています。選挙権のない18歳未満の方、お急ぎの方、まだデータ分析に慣れてない方は、問題の内容を理解したらすぐに読み進めるとよいでしょう。